異世界召喚は二度目です 4
異世界召喚は二度目です④
岸本和葉
お断り
作品の電子書籍化に際し、仕様上の都合により一部の漢字が略字体で、ルビおよび記号等が印刷出版と異なった表記になっている場合があります。
また、作品によっては差別的表現と受け取られかねない表現が使用されている場合もありますが、作品の書かれた当時の事情を考慮し、原文のとおり掲出した個所があります。
あらかじめご了承ください。
底本カバーデザイン・オグエタマムシ(ムシカゴグラフィクス)
CONTENTS
74 降臨
75 下等生物
76 破壊神
77 不可能はない
78 人知れず決着
79 病魔剣
80 〈抜刀〉
81 出発・前編
82 出発・後半
83 信用
84 魔王城強襲
85 シューティングスター
86 夜
87 聞こえない悲鳴
88 調査
89 戦闘開始
90 どうでもいいだろ
91 運がねぇ
92 勝った気がしねぇ
93 息子
番外編 魔王の恋路
74 降臨
創造神とは、絶対の存在の片割れである。
この世界を創りだした神であり、そして「創造」を司る者。
彼女がいなければ発展はなく、衰退もなかった。
そんな神である彼女が乱心すれば、もう止められる術はない。
神とは、その名に恥じない力を持ち、別次元に存在する者のことを指す。
故に、今この世界に降臨した創造神〈クレアシル〉を倒すという行為は、彼ら一次元下の存在には不可能である。
彼らは、ただその強大な力に、怯()えることしか出来ない。
◆ ◆ ◆
思わず、膝の力が抜けかけた。
この女はやばい。
着ている羽衣のようなものから、肌、髪の先端まで純白に染まっている。
唯一色が付いている青色の眼からは、何も感じ取れない。
殺気も、怒りも、その他の感情も、何もかも。
それがたまらなく恐ろしい。
逃げろ、逃げろと本能が叫ぶ。
魔力が尽きている今の俺では、こいつに勝てないことは明白だ。
それでも――――こいつらだけは。
「エルカ! グレインにティアもありったけの魔力を俺によこせ!」
「っ! はい!」
「分かったよ!」
「うん」
俺の意図を素早く読んでくれた三人が、俺に駆け寄り魔力を流し込んでくる。
しかし、これじゃ