チート魔術で運命をねじ伏せる 4
目次
序章 エルシエ
第１話 ソラ・エルシエ
第２話 守護者
第３話 ライナ・エルシエ
第４話 クーナの実家
第５話 輪廻回帰
第６話 クーナ親衛隊
第７話 好きな人のために
第８話 婚約発表
第９話 クーナとアンネと恋の形
第10話 歴史は繰り返す
第11話 風呂場での誓い
第12話 【精霊化】
第13話 九尾の炎を従える
第14話 クーナの誘惑
第15話 第二段階解放
第16話 久しぶりの魔石
第17話 第三段階解放
第18話 クヴァル・ベステの中へ
第19話 過去の幻影
第20話 俺の魔術()で偽りの運命をねじ伏せる
第21話 アンネの輝き
第22話 明かされる真実
終章 これから
番外編 明かされた真実と【魔剣の尻尾】の未来
チート魔術で運命をねじ伏せる④
月夜涙
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あらかじめご了承ください。
底本カバーデザイン・青木武（ＡＯ ＤＥＳＩＧＮ）
序章 エルシエ
クーナが目を覚ましてから一週間。
俺の身体も多少はよくなり、魔術も少しだが使えるようになってきた。
全快状態には遠く及ばないが、ある程度は戦える。
幸いなことに、あれから神聖薔()薇()騎士団の襲撃はなかった。
俺たちはエルシエに向かって旅立っていた。
今は馬車に揺られている。快適さを重視して御者を雇った。おかげで三人、荷台でゆっくりできる。
懸念していた留年の危機は、計算上、ぎりぎりなんとかなりそうだ。
ユーリ先輩が手を回してくれたおかげで帯剣式に行って休んでいた分がまるまる公欠になったし、二週間あとには夏休みに入る。
不在時の課題はまとめてエルシエに送付され、夏休み明けに提出すれば問題ないようだ。
騎士学校の夏休みは、ただの休みではなく地下迷宮での猛特訓期間だ。学生たちは、日頃授業にしばられてできない長期遠征などをこの期間で行う。俺たち【魔剣の尻尾()】は、その長期
