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作者:橘ユマ,米山舞
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-12-24(角川书店)
价格:¥640 原版
文库:角川Sneaker文库

代购:lumagic.taobao.com
うさぎ強盗には死んでもらう うさぎ強盗には死んでもらう 橘 ユマ 角川スニーカー文庫 本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  CONTENTS キャラクター 序章 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 幕間1 第7章 第8章 第9章 第10章 第11章 第12章 幕間2 第13章 終章 あとがき     1 「あ、日名子姉さん、スマホ忘れてますよ」  充電器からスマートフォンを引き抜きながら、天野樹里が言った。  彼女はスマホを胸の中に抱えると、リビングの椅子の上に足を乗せ、猫のように身を丸くした。大きな目でじっと画面を覗きながら、ふわふわと柔らかそうな髪を所在なさそうに弄っていた。 「充電器さしたまま家出ちゃったんですねー。どうします? 届けに行きます?」  アーミーナイフのドライバーで鳩時計を分解していた黒崎雅也は、作業の手を止める。黒いスラックスに巻いたシザーバッグにナイフをしまい、折り返して捲ったシャツの袖を整えた。 「……届けに行く義理があるか?」 「そりゃもちろん、この部屋に厄介になってる身ですから!」 「……まあ、それはそうだけど。でも別に、頼まれたわけじゃないし」 「雅也の兄さんだって、別に頼まれてその時計修理しているわけじゃないでしょう?」  雅也は首筋を軽く搔いた。壊れた鳩時計の修理を試みたのは、盗みを働いたことへの、ちょっとした罪滅ぼしのつもりだった。  数分前、樹里が冷凍庫からアイスクリームを勝手に出して食べていたのを見た。つい羨ましくなり、一番安っぽいアイスバーを自分も一つ口にすると、樹里が「あ、兄さん。それ、そこそこ値の張る銘柄ですよ、六百円しますよ。日名子姉さんブチ切れるやつですよ」と抜かしてきた。雅也はいたたまれない顔つきで二、三口かじったあと、残りを樹里に手渡したのだ。 「スマホを届けてあげれば、日名子姉さんも兄さんを見直しますよ。『このアイス泥棒がぁ!』なんて言いませんから!」 「……多分、その辺の事情は変わんないと思う」 「いやいや、日名子姉さんはちゃんと人の誠意を汲みとってくれる人ですよ」 「……樹里は日名子の何を知ってるというんだ