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作者:きなこ軍曹,パセリ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-11-25(overlap)
价格:¥590 原版
文库:overlap文库
丛书:聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。(2)
代购:lumagic.taobao.com
聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。2 目次 序章 第一章 どう見ても相撲な件について 第二章 どう見てもパーティーな件について 第三章 どう見ても魔王城な件について 第四章 どう見ても『漆黒の救世主』な件について 第五章 どう見ても魔王様な件について 第六章 俺の本気の力がどう見てもリリィの劣化版な件について 「クソッ、クソ……ッ!」  暗闇に支配された長い廊下の真ん中で、その少女は悪態をついていた。  響く足音からも、その少女の不機嫌さが窺える。 「……姫様、例の反勢力と思われる一人を確保しましたが、いかがなさいますか?」 「すぐ行く」  影の中から突如現れた部下の、その言葉に少女は即答した。  御意に、と呟き暗闇の中へ消えていった部下を、少女は辿った。  部下に連れられた先には、一人のやせ細った男が強固な鎖によって拘束されている。  少女はおもむろにその男へと近づくと、ぼろぼろの衣服の胸ぐらを摑んだ。 「……おい、お前。妾の妹を、どこへやった」 「ひぃっ」  少女の綺麗な顔にそぐわない威圧感に男は震え上がる。 「どこへ、やった……?」  再度威圧しながら、ゆっくりと男の身体を持ち上げていく。  もはやその場の支配者が誰なのか、言うまでもなかった。 「……ヒ、ヒュメアン国に……!」 「ヒュメアン国、だと……!?」  ヒュメアン国といえば、数多くの人間によって成り立っている国家だ。 「そんなところに……っ!?」  少女は、その胸ぐらを乱暴に放すと、呻く男など眼中に無いかのように踵をかえす。 「妾が、目を離したばっかりに……!」  何度目か分からない嘆きを零す。  しかし、ようやく希望が見えてきた。  少女は誰に見られることもなく、その口角を吊り上げた。 「もう少しで、助けに行くぞ――」  ――――リリィ。  その呟きは、木霊することなく暗闇へと消えていった。 「ふーんふふーん」  俺は今、鼻歌を一人奏でながら、朝食を作っていた。  昨日のトルエの料理を国王様と聖女様が食べてしまうという、あんな悲劇を繰り返さないためにも、トルエには料理をさせるわけにはいかない。  というのも昨日、ヴァイスの一件で国王様をウチにつれてきていたのだが、どういうわけか聖女であるルナも家にやってきていたのだ。  国王様はそのことを知る前にトルエの殺人料