脳Rギュル2 ショートツ心臓とヤネ裏のタマゴ
小学館eBooks〈立ち読み版〉
脳Rギュル2 ショートツ心臓とヤネ裏のタマゴ
佐藤 大
原作 夢野久作
イラスト わんぱく
目次
ショートツ心臓とヤネ裏のタマゴ
■ 序章序章
■ 第一章
■ 第二章
■ 第三章
■ 第四章
■ 第五章
■ 第六章
■ 第七章
■ 第八章
■ 第九章
■ 第十章
■ 第十一章
■ 第十二章
■ 第十三章
■ 第十四章
■ 第十五章
■ 第十六章
■ 第十七章
■ 第十八章
■ 第十九章
■ 第二十章
■ 第二十一章
■ 第二十二章
■ 第二十三章
■ 第二十四章
■ 第二十五章
■ 第二十六章
■ 第二十七章
■ 第二十八章
■ 終章終章
脳Rギュル設定資料Ⅱ
スタッフ・リスト
サンプリング・ソース
青空はブルーブラック
三日月は死の唄を書く
ペン先かいな
地獄座のフットライトが
北極光さ
悔い改めよといふ意味なのさ
一九三四年
一九三二年
夢野久作「猟奇歌」(抄)
ショートツ心臓とヤネ裏のタマゴ
■ 序章序章
二〇〇七年。ニホン圏には《脳Rノアール》の脅威に対抗する非公然組織《ギュル》こと、中央機密局第Ⅰ部・脳R対策課が存在していた。
機密局ギユル本部はトウキョウ孤区の中心にそびえる第二電波鉄塔に置かれ、機密局局長ワカシゲの指揮のもと脳R電波の傍受と分析を行っていた。
脳R電波は発信源不明、目的不明の怪電波である。その内容は会話、演説から、音楽、数字の羅列まで。音声は男、女、幼児、動物の鳴き声、はたまたキカイのような声。
脳R電波を受信した者は人体各部から花弁様の器官を発生し、人間ならざる存在《脳Rニンゲン》へと変異をとげる。
いつ、誰が、脳Rに変貌するかは予測不能。
隣人が正体不明の電波によって突如、怪物と化すこの現象は、社会の安寧と秩序を崩壊させる脅威として極秘裏に対処することが求められた。
怪電波の内容から脳R電波を受信する人間を同定し、迅速に脳Rを処理する。これこそがギュルの役割である。
発現前の脳Rを発見する手段は二つ。
一つ目。共振者。
脳Rの存在を感じることができる女性。音に味を感じ、数字に色を見る共感覚者のように、共振者は脳Rを性的刺激として知覚する。原因こそ不明だが、その能力