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作者:ゆうきりん,赤人
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2017-01-13(ASCII Media Works)
价格:¥570 原版
文库:电击文库
丛书:魔王なあの娘と村人A(11)
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魔王なあの娘と村人A(11) ~魔王さまと俺たちのグラデュエーション~      1  竜ヶ峯の個性の認定が取り消される──それを聞かされた俺の反応の薄さに、翼の眉間には怪訝そうに深く皺が刻まれた。 「……知ってたの?」 「いや……」  言葉はそれしか出てこなかった。  知っているはずがない。竜ヶ峯と最後に会ったのは、修学旅行先の『テイル・ユニバース・パーク』での騒動のときだ。  西の魔王にボコられた俺は、半月あまりも入院する羽目になったのだ。竜ヶ峯は見舞いに来なかったし、メールにも返事がなかった。  あいつのことだから、てっきり、負う必要のない責任を感じて、音信不通なんだろうと思っていたんだが……そういう事情があったからなんだろうか。 「知らなかったんなら、何でそんなに平気なのよ」  喋っているうちに、翼自身も落ち着いてきたのか、躊躇なく、俺のベッドに胡坐をかいた。背中の巨大な剣、エンヴリオが邪魔だったのか、ベルトを外して壁に立てかける。 「……平気っていうか……おまえが何を言ってるのかわからん」  それが本当のところだ。 「なにそれ? 西の魔王に殴られすぎて、馬鹿になったの?」 「ちげーよ!」  枕を投げ付けてやろうか、まったく。 「個性が取り消されるってのが、どういうことだかわかんねーって言ってんだよ。個性ってのは、なくなるようなもんじゃないだろ?」  個性というのは、持って生まれた資質のはずだ。村人は個性者にはなれないのだから、個性者が村人になることなどないはずだ。 「あのねえ」  だが、翼は深く溜息をついた。 「わたしたち個性者は国に認定されて、初めてそう振る舞えるんだから、そこに一定の基準があるのは当然でしょ?」 「テストみたいなもんがあるのか?」 「テストっていうか、適正検査ね。全員、子供の頃に受けてるわよ。普通の健康診断のひとつとして行われるから、ほとんど知られてないけど。そうでなかったら、ただの変なやつと個性者の区別なんかつかないでしょ?」  変なやつが、全員個性者ってわけじゃないのか。 「っていうか、俺もその検査受けてるのか?」 「当たり前でしょ。魔王やわたしみたいに、村人とコミュニケーションがとれる個性者だっているんだから。検査は必須よ」  覚えていない。 「その検査ってのは、定期的に行われてるのか?」 「ジローが、っていうことなら、後天的に個性者になった例はな