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作者:小林がる,Tiv
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-12-20(富士见书房)
价格:¥600 原版
文库:富士见Fantasia文库

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いま、n回目のカノジョ いま、n回目のカノジョ 小林がる 富士見ファンタジア文庫 本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  目次 一周目 黄色いトラックが歩道ぎりぎりを勢いよく通り過ぎていく。 二周目 「あの。カズちゃんとは、どういう関係なんですか?」 三周目 「それではぁ……テストを始めます」 四周目 発車のブザーが鳴る。 五周目 「皆さん長い間、お世話になりました」  あとがき 一周目 黄色いトラックが歩道ぎりぎりを勢いよく通り過ぎていく。 (1の1)  ──黄色いトラックが歩道ぎりぎりを勢いよく通り過ぎていく。  もしここで僕が道路を渡ろうとして、一歩前に足を踏み出していたならどうなるか?  背後を歩く幼なじみの詩音が「カズちゃん危ない!」と言って僕の左袖を引き、車に驚いた僕は彼女に引っ張られたことでむしろバランスを崩してしまい転倒。  しかもそれはただの転倒ではない。  そう、いわゆるラッキースケベだ。  僕は詩音の上に倒れないように左腕を出し、左肘を負傷するが、その代わりに右手は彼女の左胸をふにゅんとつかみ、ついでに顔面も彼女の右胸へぽゆんと収まってしまう。  破廉恥だ。モラルを重んじる僕は当然、そんなことをするわけにはいかないので──  普通に立ち止まる。トラックが通り過ぎていく。  ──僕は袖を引かれることもなく、転倒もせず、布越しのおっぱいの感触は脳裏にありありと、まるでついさっきの出来事のように鮮明に思い起こされるだけだった。  後悔はない。この選択に後悔なんてあるわけがない。  それでも、ああそれでも…… 「くそ……僕のジェントルメン!」 「カズちゃん、人目のあるところで唐突に自画自賛しないほうがいいですよ?」  振り向くと、制服姿の詩音がこちらを見て苦笑していた。  小柄な体が、その輪郭のまるっこさでより小さく見える女子高生。癖っ毛のセミロングを無造作にサイドでまとめているのも耳か尻尾に見える、そんな小動物のような印象の中に潑剌とした瞳だけが大きく太陽のように輝いている。 「自画自賛なんてしてないよ。ついつい事実を述べてしまっただけで」 「その発言が、まさに自画自賛なのですが…