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作者:小木君人,梅原えみか
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-12-22(小学馆)
价格:¥637 原版
文库:Gagaga文库
丛书:夜が来るまで待って(3)
代购:lumagic.taobao.com
夜が来るまで待って3 小学館eBooks〈立ち読み版〉 夜が来るまで待って 3 小木君人 イラスト 梅原えみか 目次 真夏の夜の来訪者 二人の夜 選ばれなかった私 全開 もっとぎゅっと抱き締めて 最後の挨拶  眠れないの、と彼女は言った。  新しい日付を迎えたばかりの夜。  東森鷹兎と槇村伽夜は、二人で海を眺めていた。  潮騒が耳に心地よく響いてくる。  見上げれば、プラネタリウムでしか見たことがないような満天の星々。  綺麗だ。  自然の美しさに心奪われ陶然と微笑む彼女、その横顔がなにより綺麗だった。  恋愛に疎い鷹兎でもわかる。  想いを伝えるなら、今は最高のタイミングだ。  二人っきり。  美しい夜。  舞台は整っている。 (言わなきゃ……こんなチャンス……二度とないかも……)  鷹兎はごくりとつばを飲み込むと、胸いっぱいに詰まった気持ちを言葉にしようとした。  伽夜先輩、僕は、あなたのことが……!  ──物語は丸一日さかのぼる。           1  時刻は午前零時をわずかに過ぎた頃。  東森鷹兎と彼の影子・ハルハは、自宅二階の寝室にて、汗だくになりながら同じ布団に横たわっていた。  暑いからだ。八月に入って、まさに夏真っ盛り。今夜で十日連続の熱帯夜である。  かつて祖父母が住んでいたこの家にはクーラーがなかった。布団の脇に置いてある古びた扇風機が、ぎこちなく首を振って、生ぬるい風を吹きつけてくる。心地よいとは言いがたい。  部屋の窓と、廊下に通じるふすまを全開にしてあるが、今夜はそよ風もなく、入ってくるのは蟬の大合唱ばかり。  布団に入って一時間ほど経ったが、暑苦しさにまったく眠気が降りてこなかった。 「……ねぇハルハ……暑いよね?」 「……うん……」  鷹兎がそっと囁きかけると、力のない声が返ってきた。 「あのさ、影に入って寝たら? 影の中って暑くないんでしょう?」  もう一度呼びかけると、闇の中でハルハの体がもぞもぞと動く。 「……やーん、一緒のお布団がいいの~……」  ぎゅうう~、としがみついてきた。首筋に絡みつくハルハの腕、触れ合うふくらはぎ。汗にまみれた皮膚と皮膚が、ぬるぬるとこすれ合って一つになる。気持ちいいのか悪いのかもうわからない。ただこんなにも懐かれて、甘えられたら、嬉しくない