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作者:土橋真二郎,白身魚
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2017-01-06(ASCII Media Works)
价格:¥610 原版
文库:电击文库

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このセカイで私だけが歌ってる  国道二十号線のサプライズゲスト。  それが新宿に出現した日から、日本は崩壊に向かうことになる。  だが崩壊後も東京は生き残った。そしてこの時代において、世界で一番清潔で規律正しい場所となった。ただし東京という形態は少しだけ変化していた。  東京という土地。  東京という名称で管理されるエリアは少しだけ狭くなった。青梅などの山間部は東京から離れ、首都圏エリアと一律で括られている。つまり関東圏は、東京とそれ以外というエリアに分かれたことになる。  東京の環境。  利権やコストの面で進まなかった環境問題は一気に改善した。電線は地下に隠され電柱はすべて撤去された。歩道や道路の拡張、古い建物はすべて撤去され、ゴミ問題は厳格に管理されている。清潔でシンプルな風景を東京は手に入れた。  東京の文化面。  完全に中心となっている。都民たちはスポーツや芸能、サブカルチャーをとても大切に扱っている。途切れれば消えてしまうものだと理解したからだ。すべての文化の規模は縮小したとしても、絶対的な価値は高まったといえよう。  東京の人間。  隣人に無関心な東京の人々。かつてはそう評されたこともあるらしい。しかし今は違う。お互いに顔を合わせながら思いやる、確固たる人間関係が構築されている。感情のないネットの言葉ではなく、血の通った言葉を交わす場所が東京だ。  東京における犯罪。  極めて減った。生活には規律正しさが求められ、都民もその厳格なルールを受け入れている。ほんの小さなトラブルでも迅速な通報が行われ、犯罪の芽は摘み取られる。長らく解決できなかった飲酒トラブル、窃盗や詐欺、買春や売春などの問題は撲滅されかけている。  ただし変わらないものもある。  それは労働環境だ。相変わらず東京の人間たちは仕事に忙しい。通勤も通学もなくならず、ブラックと呼ばれる仕事環境はなくならない。過去に人間の仕事のすべてはAIに奪われるとされたがそうはならなかった。この世界において急激に職種が減っていく中、東京だけは増えている。人口減なども相まって、世界で一番働いているのが都民だといっていい。だが、あくまで都民は自らの意思で働いている。 『ゾンビが出ても通勤しろ』  そんなスローガンを作ったのも都民自身なのだから。 *  山岸夕花がパソコンを打っているとチャイムの音が聞こえた。街