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作者:手島史詞,Comta
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2017-02-02(Hobby Japan)
价格:¥638 原版
文库:HJ文库

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魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?1 (HJ文庫) 目次 序章 第一章 初恋とは誰もが一度はかかる質の悪い病である 第二章 コミュ障の初恋はカビたパンの味に似ている 第三章 普段おとなしい子ほど怒ると破壊的に恐ろしい 第四章 失恋というのは物理的にもけっこう痛いもので 第五章 魔王になったからには傍若無人に振る舞う義務みたいなものがある 終章 序章  ――どうすればいいのだ、この状況を……!  ザガンはいま、窮地に立たされていた。  そこは自身の居城だ。  床は古びてささくれたクヌギでできており、壁は苔むした石煉瓦を積み上げたもの。絨毯や壁掛けを飾って誤魔化そうとはしているのだが、ザガンは根本的に手入れというものをしてこなかった。  建築から最低でも二百年は経っているだろう、陰鬱とした空気のこもる廃城である。  そんな城の玉座で膝を組んでふんぞり返るザガンの前に、ひとりの少女がちょこんと立ち尽くしていた。  まず目を惹くのは腰まで覆う真っ白な髪。そしてその髪を飾る深紅のリボン。小さな顔に嵌まる大きな瞳は夏の空のような紺碧で、唇は控えめで薄い桃色だった。  華奢な肢体を覆うのは純白のドレスで、開いた胸元からは細い体に反して大きなふたつの膨らみが覗いている。  ただ、その瞳はひどく虚ろで、耳はツンと尖っていた。  古くは北の聖地ノルデンの妖精とも呼ばれた伝説の種族――エルフだ。  特に、白い髪の個体は珍しく、ことさら力が強いと言われていた。  人より神に近いとされる彼女たちだが、その神聖さゆえに人族から狙われることも少なくはない。彼女たちはその髪の毛一本から血の一滴、命そのものでさえ、魔術的な触媒として計り知れない力を持っているのだ。  その儚くも神秘的な少女の首には、鎖のついた無骨な首輪が嵌まっていた。  奴隷の首輪である。  そして、この少女の存在こそが、ザガンを苦悩させるものの正体だった。  ――好きな女の子と会話するのって、どうすればいいんだ……!  数刻前、この少女に一目惚れしてその身柄を買い取ったまではよかったのだが、ザガンはこれまで年頃の少女と口を利く機会自体がほとんどなかった。  異性の気の引き方などまるでわからない。  少女の方も奴隷という身分で買い取られているのだ。緊張しているのか、表情は硬く、無表情と言っても差しつかえないほどだ。  いつまでも