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作者:師走トオル,八宝備仁
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2017-01-06(ASCII Media Works)
价格:¥590 原版
文库:电击文库
丛书:僕と彼女のゲーム戦争(10)
代购:lumagic.taobao.com
僕と彼女のゲーム戦争10           1  翌日、岸嶺は学園のある部屋へと呼び出されていた。  その部屋へ行くのは非常に久しぶりだった。恐らく、この学園に初めてきたとき以来だろう。  普通だったら一学生が入る用事はまずない部屋──校長室である。 「失礼します、岸嶺です」 「どうぞ、お入りください」  落ち着いた声で返答があった。  ドアを押し開ける。中で待っていたのは、気品に溢れた老齢の女性──この伊豆野宮学園の校長だ。歴史と実績を持つ伊豆野宮学園の校長だけあって相当やり手らしく、立場が上のはずの理事長も、彼女にだけは頭が上がらないという。 「あの、僕をお呼びと聞いたんですが……」  岸嶺の声は上ずり気味だった。職員室に呼び出されることすら滅多にないのだ、校長に呼び出される理由などまったく思いつかなかった。自分はなにか不祥事でもしでかしただろうかと、どれだけ本気で考えたか分からない。 「そう硬くならなくていいんですよ。少しあなたに聞いておきたいことがあったのでご足労願いました。本来ならわたしの方から伺うべきなんですが、そこは年寄りを気遣ってもらうということで」  緊張をほぐすためだろうか、冗談めかして彼女は言った。確かに彼女は高齢ではあるが、とても足腰が弱っているようには見えない。 「そうでしたか。それで一体なにを……?」 「あなたはこの学園の男子生徒として、半年以上を過ごしてきました。来年もまた男子生徒は少数ですが入学してくる予定です。そこで、男子のあなたにこの学園の感想を聞いてみたいと思いまして」  呼び出された理由を聞いて、ようやく岸嶺は安堵した。  この学園は、三年前まで完全なお嬢さま学校だった。それが少子化対策やら異性に慣れるためといった理由で、二年前から実験的に男子生徒を受け入れ始めたのだ。  ただし、男子の数は全校生徒の一割にも満たず、大変に居辛い状況が続いている。半年も経てば多少マシにはなるが、未だに男子生徒はお昼休みになると男子だけで集まって食事しているような有様だ。来年以降も同じように少数の男子を受け入れ続けるなら、男子生徒の境遇については校長としても考えざるを得ないのだろう。 「でもなんで僕なんでしょう? 他にも男子生徒はいると思いますが」 「わたしの知ってる限り、もっとも女子生徒と接しているのはあなたのようですから」 「そ