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作者:原田宇陀児,津路参汰(ニトロプラス) , 大槻ケンヂ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-12-22(小学馆)
价格:¥691 原版
文库:Gagaga文库
丛书:新興宗教オモイデ教 外伝(2)
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新興宗教オモイデ教 外伝2 ~夜考事件~ 小学館eBooks〈立ち読み版〉 新興宗教オモイデ教 外伝2 ~夜考事件~ 原田宇陀児 監修 大槻ケンヂ イラスト 津路参汰(ニトロプラス) 目次 ■ 序 章 =冬の日・古い墓所附近にて= ■ ■ 第1章 =梅雨時= ■ ■ 第2章 =初夏= ■ ■ 第3章 =現代・初夏= ■ ■ あとがき ■ "There are only two kinds of people. There's saved people and there's lost people."  人には二種類しかない。  救われる者と救われない者とだ。 ■ 第1章 =梅雨時= ■  リンが死んだ。  まったく眠ったまま、そのままに、逝った。  身体はバラバラであったけれど、苦しむことはなかったそうだ。  それがせめてもの救いであるかのように担当医師が述べるのを聞き、僕は病院を後にした。 ◆  苦しみのないことは、真実、一種の救いであるかも知れない。唯、全能の救いでないこともまた、確かである。  何故なら、苦しみは消えず、リンの家族や友人やそれに僕──遺された者たちの身の上に移り住むだけなのだから。  汚れた真綿のような上空を見上げる。長い煙突から、白い煙が天に昇る。目に、雨粒が刺さった。 ◆  深いビル街に囲まれた、T霊園の広い敷地の内でも、奥まった場所に、リンは眠った。雨に打たれてヌラヌラと鈍い輝きを発する墓石群は、外に並ぶビルらにもよく似て、いっそ人はどこに生きるべきか見失ってしまいそうになる。  墓前に屈みこみ、霊園内の売店で購入した蠟燭に火を点し線香をあげる。細い雨が当たって、それは、チッ、チッ、と、舌打ちしているようだ。 (ごめん、贋者の恋人のままで……)  僕はソッと手を合わせる。  こんな行為で過去が許された時代もあっただなんて、それは、きっと、幸せだったのかも知れない。祈っても、僕は赦されない。僕の「能力」なんてものの為に、こんな結果になって──。 「?」  背後から、大きな丸い傘が被さってきた。 「濡れるよ」  振り返る。そこには、妹尾いちごが傘を持って立っていた。そういえば、僕は傘を差していないのだった。 「……来たんだ?」 「ここだと思った」 「………………」  今の僕は、いちごに、何を言ってやれるのだ