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作者:松原真琴
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-11-24(ASCII Media Works)
价格:¥594 原版
文库:电击文库

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猫耳父さん  第一話 耳が生えた日:父  十月一日、午前六時。  聞き慣れた目覚ましの音が、いつもと同じように鳴った。  ごろりとうつ伏せになり、ベッド脇の床に置いてある目覚まし時計を止める。伸ばした腕から熱が逃げていき、少し寒い。タオルケット+皮下脂肪で耐えられるのもここまでか……。そろそろ半年前ペタンコに圧縮した羽毛布団を出さないとなぁ。心底面倒くさいけど。  脳が起きるまで、そのままの姿勢で何度かまばたきを繰り返した。まぶたが熱を帯びていて、重い。鏡で見なくても、ひどく腫れているのがわかる。昨夜の号泣の名残だ。  原因は、〝ネー〟という名の飼い猫の死。思い出に浸ってベソベソしているうちに、眠ってしまったらしい。 「よしっ、起きる! 起きるぞおれは!」  声に出すことで、二度寝の誘惑を振り払う。未練を断ち切るように、ガバッと上半身を起こし、両手でパンッと両ほほをたたいた。 「……ん?」  尻に、違和感。  尻の間に、何か挟まっているような……ってこれ、四十を目前にしてまさかの寝グソ!? うそだろ!? 「落ち着け……! 落ち着け三十八歳!」  これが寝グソなら、一刻も早く処理しなければ! 十四歳の娘にこの事実を知られたら、一生口きいてくれなくなる……! おれは、下半身を覆っているタオルケットを急いではぎ取った。  ……あれ? 臭くない。寝グソじゃないのか?  だとしたら、この違和感はなんなんだ……?  違和感の正体を突き止めるべく腰を浮かせると、また別の違和感が、左の内ももを襲った。 「ひぃ!」  何かフサフサしたものでなでられたような感触に、ゾワワワッと一気に鳥肌が立つ。左足に視線を落としたおれは、パジャマの内もも部分が変にふくらんでいることに気づいた。  パジャマの中に、おれの左足以外の何かが入っている……!  尻の間の違和感もこれの仕業だとすると、ヒモ状の何かが、尻から左のひざ裏まで伸びていることになる……ということは、ヘビか!? ヘビなのかー!? 「チンコ嚙み切られるっ!」  大あわてでベッドを降り、ズボンを脱ぎ捨て、股間をチェックした。……よかった! 息子は無事だ! 床に落ちたズボンをおそるおそる踏んでみたが、布の感触しかしない。中には何もいなかったようだ。  それなのに、尻の違和感はまだ消えていない。寝グソ説再浮上か……