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作者:望月唯一,蒼咲ゆきな
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-12-02(讲谈社)
价格:¥378 原版
文库:讲谈社轻小说文库

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救世の背信者 ご利用になるブラウザまたはビューワにより、表示が異なることがあります。 口絵・本文イラスト/蒼咲ゆきな デザイン/AFTERGLOW 編集/庄司智 ある終わり 「本当にいいんだな? この作戦が成功すれば、お前は達人アデプトじゃいられなくなるんだぞ。それどころか、世界中から憎しみを買うことになる」  目の前の男は、痛ましそうに目を伏せて訊ねてきた。  この戦場を共に駆け抜けた歳の離れた友人。長く戦場にいるのに、その穏やかな物腰は出会った時から何も変わっていない。  そんな彼にこの役目を任せるのは辛いものがあるが、これができるのは彼しかいない。 「ああ、後悔はないよ。悪いね、道言さん。嫌な役目押し付けちゃって」  俺は真っ直ぐに彼の目を見つめ、強く頷く。  それで覚悟を決めたのか、彼はゆっくりと息を吸うと、表情から躊躇いを消した。 「偉大なる達人に敬意を表する」  そうして彼は、俺の左手首に嵌められた腕輪を摑み、 「さらばだ──『救世の背信者』」  そっと、絶望を注ぎ込んだ。 序章 はじまりの夜  獣の唸り声が夜の公園に響いた。  真っ黒な体毛に爛々と赤く光る瞳。狼を一回り大きくしたような凶悪な肉体。  一嚙みで人を食い殺せるであろう獣の群れが、広い公園を埋め尽くしている。  そんな中、久住悠里という少女はただ一人立ち尽くしていた。  肩まである明るい色の髪を手で梳き、紫がかった灰色の瞳はこんな状況にもかかわらず冷静さを保っている。  見た目だけなら、セーラー服を着たどこにでもいる高校生。  だが、あまりにも一般人離れした威圧感が彼女にはあった。  当然だ。この場において狩人は悠里。黒い獣たちは撃ち抜かれるための的に過ぎない。 「……もう少し集まってくれると手間が省けたんだけど。ここで駆除できるのはこれが限界かな」  溜め息を吐きながら、少女は臨戦態勢に入る。  さあ、狩りの時間だ。  悠里が一歩踏み出そうとした時、不意に──本当に不意に、どう考えても場違いな笑い声が響いた。 「ふっははははは! 残念だったな星喰いども! その少女から離れるがいい! この俺が来たからには、無残に駆逐される運命にあると知れ!」  悠里だけではなく、星喰いと呼ばれた獣たちですら呆気に取られたように声が聞こえてきた方向に振り向く。