カンピオーネ! XX 魔王内戦2
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Contents
序章
第1章 内戦激化
第2章 帰ってきた男
第3章 追う者追われる者
第4章 そして妖精境へ
第5章 運命のその先に
第6章 ふたたび門が開く時
終章
ダッシュエックス文庫DIGITAL
カンピオーネ!
魔王内戦2
丈月 城
Introduction
これまでのあらすじ
神を殺し、その権能を簒奪した者をカンピオーネという。
高校生の草薙護堂はカンピオーネとなって以来、自称・愛人のエリカや媛巫女・祐理たちと共に、世界各国のカンピオーネやまつろわぬ神と数々の激戦を繰り広げてきた…。
戦いの中で護堂たちは、神々が称える『最後の王』の存在を知る。
「神殺しを殺す」という『最後の王』の封印が解かれるのを阻止しようとするが、一歩及ばず『最後の王』は復活してしまう。
その圧倒的な力の前に一時は退却を余儀なくされた護堂だったが、切り札である『最後の王』の真の名「ラーマ」を突き止め、辛勝する。
しかし、カンピオーネが現存する限り「ラーマ」は何度でも甦り、カンピオーネの数だけ強くなるという。7人のカンピオーネは「ラーマ」と戦う最後の一人を決めるべく、内戦を開始した。
ヴォバンと羅濠が同盟を結び、護堂に襲い掛かる絶対絶命の窮地!
そこへドニが現れ、護堂に同盟を持ち掛けるが――?
序章
皇帝スルタンの衣装に身をつつむ屈強な大男。
それが妖精王アル・シャイターンの外見である。ターバンを頭に巻いて、長袖のガウンの上に、膝まである丈の長いベストを羽織っている。
立派な髭も生やしていて、見た目は人間の中年男性と大差ない。
(ぴんと尖った両耳と、火のように真っ赤な肌の色をのぞけば、だが)
中東にルーツを持つ魔神族の王とジョン・プルートー・スミスが面談したのは、魔王内戦の開始直前であった。
砂漠のオアシスに建つ魔神宮。
その窓辺に設けられたテラスで、ふたりは向き合っていた。
「魔女アイーシャの通廊には、十分に気をつけることだ」
アル・シャイターンは重々しく言った。
一二名いる妖精王の盟主とされるにふさわしい威厳が彼にはある。
「あれがもたらす混乱のすさまじさ、貴殿もすでに知ってのとおりだ。もう幾年もの間、歴史の番人が頭を悩ませている……」
「ああ。当の