妄想少女 全6巻
【合本版】
妄想少女が~る
全6巻
東 亮太
角川スニーカー文庫
目 次
妄想少女 そんなにいっぱい脱げません!?
妄想少女2 どうぞ私を召し上がれ
妄想少女3 決戦は夏コミ最終日!
妄想少女4 もし本くんが萌えっ娘だったら
妄想少女5 エッチな目はダメ、お兄ちゃん
妄想少女6 だって私は二次専だから
妄想少女が~る
そんなにいっぱい脱げません!?
東 亮太
角川スニーカー文庫
本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、
本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。
目次
第一話 ハァハァしてはいけないの?
第二話 お許しくださいご主人様
第三話 だってわたし水着だもん!
第四話 あ、あんたなんか何とも思わないんだから!
カリンのどきどきミラネルライフ チューはまだダメ
第五話 みんな私の嫁なのに
あとがき
放課後の西日が強まり始めた時刻。葛本光宏は、校舎の屋上にひとり佇んでいた。
足をそわそわと揺すり、落ち着きなく視線を動かす。時々思い出したように腕時計を覗き込み、ポケットから手鏡を取り出しては、柄にもなく髪形などチェックする。
大丈夫。どこも変じゃない。
震えそうになる手で鏡をしまい、光宏は自分を納得させるように、一つ頷いた。
約束の時間は近い。もうすぐ「彼女」がここに来てくれる。
生まれて初めて女子の下駄箱に手紙を入れた。文面はいろいろ悩んだけど、やはり「一番大事なこと」は自分の言葉で伝えたいと思い、呼び出すだけに止めた。
──お話ししたいことがあります。放課後、第三校舎の屋上に来てください。
それから授業が終わるまでの半日は、もう気が気ではなかった。
我が人生初、一世一代の、女子への愛の告白だ。どんな言葉で伝えればいいだろうか。
サンプルならいくらでも思い浮かぶ。これまでさんざん遊んできたギャルゲーのテキストの中で、主人公が女の子に向かって打ち明けた台詞が、次々と脳裏をよぎっていく。
どれでもいい。どれを叫んでも、ヒロインは必ず微笑んで、頰を赤らめてくれる。そして目尻から小さく涙をまき散らしつつ、ガバッと主人公に抱きついて、「嬉しい。私も光宏くんのこと──」とか何とか。
う