ツール·ド·ガールズ!!
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口絵・本文イラスト/菊池政治
デザイン/AFTERGLOW
編集/庄司智
《序章》
とある高校の、女子自転車競技部の部室。
狼堂迅人は、ある意味危機的な状況に陥っていた。
部室には、彼の他に二人の少女がいる。
その内のひとりは、肌が透けて見えてしまいそうなほど薄手のTシャツにハーフパンツという無防備な姿をさらし、うつ伏せで寝転がっていた。
「迅人、さっさとマッサージしてよ」
と、寝転がる少女が脚をパタパタと動かしながら言った。その動きに合わせて、少女のポニーテールがせわしなく揺れる。
そう、迅人はある事情から、この少女の体をくまなくマッサージする。
だがそれは、女子と無縁の人生を過ごしてきた迅人にとっては極度の緊張を強いられるものであり、つまりはドキドキして頭がどうにかなりそうだった。
「言っておくけど、少しでもいやらしいこと考えたら……、殺すわよ」
少女に殺されかけたことがある迅人にとって、その脅しは効果抜群だ。
だが──
女の子らしい曲線を描く体。特に、ぷにんっとやわらかそうな桃尻を突き出されて、いやらしいことを考えるなというのは、思春期の男子である迅人には無理な話だった。
焦れたように少女が言う。
「……ちょっと、まだなの?」
「わ、わかったから、ちょっと黙っててくれ……」
迅人は深呼吸をしたあと、意を決して、少女のやわらかそうな双丘に手を伸ばす。
マッサージの効果を高めるため、あえてパンツをはかせていないお尻に手が触れそうになった瞬間、
「だ、ダメですのーっ!」
突如、マッサージの順番待ちをしていた二人の内のもうひとり──金髪碧眼の少女──が迅人の腰に抱きついてきて邪魔をした。
そのはずみで、金髪少女の豊かな乳房が、迅人の腰のあたりに押しつけられる。
おっぱいの先にある、ぷっくりとした突起。
その感触がズボン越しに伝わってきて、迅人はもう暴発寸前だ。
「ちょっと邪魔しないでよ! これはあくまでも迅人の仕事なんだからっ!」
「仕事でもなんでも、迅人が他の女の子に触るなんて絶対許せないですのっ!」
ポニーテールの少女が文句を言い、金髪少女が言い返す。
言い争いが過熱していくのを眺めながら、迅人は