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作者:上遠野浩平,巖本英利
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2017-02-10(ASCII Media Works)
价格:¥590 原版
文库:电击文库
丛书:螺旋のエンペロイダー(4)
代购:lumagic.taobao.com
螺旋のエンペロイダー Spin4. Introduction 「柊さんは、大切な人を亡くしたことはあるんですか?」  少女の問いかけに、柊──オキシジェンとも呼ばれる男は低い声で、 「ああ──」  とうなずいた。 「そのときは、悲しかったんですか、寂しかったんですか?」 「どちらも感じなかった──ただ、心の中に穴が空いて、何かを感じようという気力自体がなくなってしまった──そして〝運命〟が視えるようになった」  ほそぼそと、かすれて少し聴き取りづらい声であるが、それでも彼女にしっかりと伝えようとする口調である。少女はぶるるっ、と身震いして、 「私と同じ、ですか? 私も、お姉ちゃんがいなくなっちゃって、それで能力に目覚めて……見るだけで、なんでも壊せるようになって──」  と言って、両手で我が身を抱きしめるように、自分の肩を摑む。その凄まじい威力を思い出したのだろう。 「迅八郎お兄ちゃんと、才牙さんがいなかったら、私はとっくに自滅してました。ふたりが、能力を制御できるように導いてくれたから──」  震えている少女に、オキシジェンは静かに、 「君は、少し事情が違う──他の能力の持ち主たちとは」  と話しかける。少女は顔を上げて、 「どういう風に、ですか?」 「君は、姉から〝運命〟を受け継いでいる……君自身に由来する能力ではない。それは君の姉、志邑咲桜が才牙虚宇介に関わったことで生まれてしまった〝ひずみ〟だ……」 「お姉ちゃんが──才牙さんの、そらちゃんのお兄さんと……?」  眉をひそめる少女に、オキシジェンはうなずいて、 「才牙兄妹は、この世界の中では明らかに、異質にして過剰……本来は今の時代に生まれるべきものではないのだろう。すべての運命から隔離されたあの在り方も、不自然極まりない……それに深く関わろうとしたことで、君のお姉さんは次元の狭間に落ち込んでしまって、生きても死んでもいない、今の状態になって……君に、能力が移ったのだろう」  ここで彼は、首を左右にゆっくりと振って、 「それは志邑咲桜の意志ではない。彼女は振り回されただけ……君に能力を覚醒させるように導いたのは、おそらく……彼自身だ」  と言った。少女は息を吞み、目を丸くする。 「それって──」 「そう……才牙虚宇介は、君に滅ぼしてもらいたいと、無意識で思っている──自分を跡形もなく消してほしいと願