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作者:サトウとシオ,和狸ナオ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2017-02-13(SB Creative)
价格:￥610 原版
文库:GA文库

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たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語 たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語 * * * サトウとシオ 本書に掲載されているコンテンツの著作権等の知的財産権およびその他すべての権利は、ＳＢクリエイティブ株式会社または正当な権利を有する第三者に帰属します。 本書の内容を権利者の許諾なく複製・複写・翻案・放送・出版・データ配信（送信可能化を含む）などすることはできません。 カバー・口絵　本文イラスト 和狸ナオ 目次［CONTENTS］ 序章 第一章　たとえば新しい部下が社長の息子だと発覚した時のような手のひらの返しよう 第二章　たとえば羊の品評会に狼を出すような所業 第三章　たとえば事務員の面接に筋骨隆々の男が来たので「スポーツジムと勘違い？」と疑うような心境 第四章　たとえば空手漫画で白帯相手に油断する黒帯キャラのような滑稽さ 第五章　たとえばお見合い写真と実物が違いすぎてご家族の方と勘違いするような現象 第六章　たとえばナースさんを一日中眺めたいから入院する男のような行為 　お前には無理だと村の人々は口々に言いました。 　ロイド・ベラドンナのことです。 　彼は柔和な笑みが印象的な好青年で、その見た目通り荒事よりも炊事や掃除、洗濯が得意で自他ともに認める「村一番のか弱い男」です。村の娘たちに「いいお嫁さんになれるね」なんて言われるのはもはや日課の域でした。 　川に潜っても魚を捕れたことは一度もなく、薪を集めるのも日が暮れるまで時間をかけては人並み以下、戯れに村の男たちと組手なんぞしたら次の日は丸一日寝込んでしまった──などなどその逸話を上げれば枚挙に暇がありません。 　そんな彼が突然、村を出て王都の軍人になりたいと言うものですから……加えてとても素直でお人よしな上騙されやすい性格なので村の中には軍人志望は疎か村から出て行くことすら反対の人間も少なくありませんでした。 　ただいつもだったら日和見で周りに流されやすいロイドですが今回ばかりは違いました。その素朴な顔立ちの奥から、ある種の気迫をにじませて下唇を嚙み締めながら己が決意を語るのです。 　初めて見せる彼の一面に村の人間も困り果て、遂には村長に説得してもらおうと会合が行われるまでとなりました。村の行事や政を決める以外では滅多にないことです。彼が村のみんなに大事にされている証拠でしょう。