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作者:奈坂秋吾,柴乃櫂人
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2017-02-10(ASCII Media Works)
价格:¥630 原版
文库:电击文库

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東京ダンジョンスフィア    序章  そこは、『石の世界』だった。  見渡す限りの石、石、石──石造りの壁に囲われ、石造りの建物が立ち並び、石畳の道が複雑に入り組んでいる、そんな世界。  そこへ踏み込んだ大抵の者が、「西洋のどこかの都市みたいだな」という印象を抱くことだろう。とりあえず、日本ではないことはすぐに理解出来る。  背の高い壁と街並みを見て、「テレビで見た城郭都市ってやつに似てるわね。城は見当たらないけど」と言う者もいるだろうし、ゲーム世代の若者たちの中には、「裏路地に武器屋とか冒険者ギルドとかありそうだよな!」と興奮する者もいるだろう。  そして空を飛ぶソレが目に入れば、年齢など関係なく、「ああ、今俺(私)は現実じゃない、どこか別の世界に来ちゃったんだな」と実感するに違いない。  ソレ──『竜』と呼ばれる架空であるはずの生物を見てしまえば。 「竜っていうか、『ドラゴン』って感じだよね……あれ」  とある民家に身を潜めていた三人のうちの一人、小柄でメガネをかけた少年がそう言うと、隣の短髪の少年が頷いた。 「そ、そうな、西洋ファンタジーとかに出てきそうなやつな。いやあテレビ越しじゃなくて生で見ると、バツグンの迫力だぜ。迫力あり過ぎて……か、体の震え止まらねえわ。なあ赤峰、俺らどうしたらいいんだろうな?」  残す一人──赤峰と呼ばれた少年は、窓の外を窺うの止め、肩を竦めてみせた。 「どうすっかって言われても……俺たちなんかがどうにか出来るわけないだろ?」  赤峰を含めた三人は、そのファンタジックな世界に似つかわしくない日本の制服姿である。  彼らは、ただの高校生だった。 「────っ! き、来た……!」  風を感じ、赤峰はそっと窓の外を見やった。  近くの建物の屋根の上から黒々とした巨体がゆっくり現れる。  溶鉱炉のように赤々とした血脈が罅割れのように体表を走っており、口の端から炎を滾らせ、金色の眼球をぎょろぎょろと動かしている。とてつもない迫力に、赤峰はごくりと唾を飲み込んだ。 「お、俺らみたいな高校生があんなのと戦えるわけないだろ! 護身用だか何だか知らないけど、こんなもの渡されてもさあ……!」  そう言って両手で握りしめていた、『ショートソード』を持ち上げてみせる。他の二人の手にも同じ物が握られており、窓の外から差し込む陽射しでちかちかと反