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作者:榊一郎,猫缶まっしぐら(ニトロプラス)
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2017-02-02(角川书店)
价格:¥700 原版
文库:角川Sneaker文库
丛书:永き聖戦の後に(2)
代购:lumagic.taobao.com
永き聖戦の後に 2 スケイプ·ゴート 永き聖戦の後に2 スケイプ・ゴート 一郎 角川スニーカー文庫 本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  目次 第一章 暗殺の獣 第二章 〈勇者〉と〈勇者〉 第三章 魔王炉 第四章 最大多数の最大幸福 終章 あとがき  空気が一瞬にして凍り付いていた。  猥雑な空気に満ちた雑踏に接していながら、その食テー卓ブルの周囲だけがまるで目に見えぬ壁で切り取られたかの様に、冷たい静寂に満ちている。  生の喧噪の中に、突如として穿たれた──死の空隙。  すぐ傍を行き交っているにもかかわらず、通行人は誰一人としてそこで殺人が行われたのだという事に気付いていない。凍り付いた空気に気付いていない。それは突出ではなく欠落だからだろう。大きな音がするでもなく、強い光を発するでもなく、周囲の注意を引き付けるには、それはあまりにも些細に過ぎる。 「……へへ」  傍目には、食卓を囲んでいた三人の内の一人が、僅かに身を乗り出して正面の同席者に指を向けている──ただそれだけの光景に見える。  指の先から伸びた爪は、非常に細く、それが鋭利な凶器として相手の首に深々と突き刺さっているのだと気付くのは難しい。万が一に気付いたとしても何かの見間違いかと思って通り過ぎる者が大半だろう。  特に──このナサニエル通りでは。  城塞都市ファーニヴァル番ロスト外アド区レス。  人間と魔ヴイ物シヤスの全面戦争、通称・聖伐大戦の際に各地から流れ込んできた難民達が、公的な許可を得る事の無いままに、廃棄街区に住み着いて出来上がった街──いわば難民街である。公的な書類上は無人となっており、ファーニヴァルの公的な魔力供給網からも外れているが、実際には万単位の住人が此処で家を構え、店を営み、暮らしている。  その番外区にて、最も賑わいを見せるのがナサニエル通りだ。  難民街らしく、此処は様々な地方の様々な民族色で溢れかえっている。悪く言えば看板の文字から店構え、通行人の衣装まで──まるで一貫性の無い店舗が幾つも並び、混沌とした風景を成していた。  その中の一つ──魔力イル発光式ミネ看板ータに『北方料理専門』を掲げる店。 「……中々やるみたいだが…