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作者:天宮伊佐,ヤマウチシズ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2017-01-23(小学馆)
价格:¥637 原版
文库:Gagaga文库
丛书:ハナシマさん(2)
代购:lumagic.taobao.com
ハナシマさん 2 小学館eBooks〈立ち読み版〉 ハナシマさん2 天宮伊佐 イラスト ヤマウチシズ 目次 序章 一章 『破滅的な美女クラッシュビューティー』と異世界 二章 異世界に行ける方法の噂 三章 それぞれの異世界の終焉 終章 ●──矢生比沙子──  ちぃんと、小気味よい音が聞こえた。  ソファから立ち上がり、矢生比沙子はキッチンへと向かう。  電子レンジの扉を開けて温まった冷凍パスタを取り出し、リビングへと戻る。  パスタの皿を置いて再びキッチンへ歩を進め、冷蔵庫から缶ビールを取り出す。  数十分ほど前から冷凍庫に突っ込んでいたので、缶はきんきんに冷えている。  プルトップを引くと、ぱしゃりと、またも小気味よい音が漏れた。  ──新年明けて間もないっていうのに。四十過ぎた女が、独りコンビニパスタと缶ビールか。  茸と貝のパスタにプラスチックのフォークを突き刺しながら、矢生は自嘲の笑みを浮かべた。  ──いったい人生の、どこで間違えたのだろう。  ビールを呷りながら自問する。  頭は良いと、昔から自覚していた。  一流の進学校に通い、一流の大学を卒業したまでは、自分の人生に間違いはなかっただろう。  ──やっぱり、あれだな。  何度も繰り返してきた後悔を、矢生は今晩も反復する。  自分は──就職先を、間違えたのだ。  誰も彼もが愚かで、空気の乾いた即物的な職場だった。  十年以上にわたる貴重な時間の代価として得たのは、雀の涙ほどの退職金。その金を元手に、矢生は第二の生活を始めた。  ちらりと部屋の隅を見る。デスクに鎮座したパソコンのディスプレイには、矢生が自作したサイトが表示されていた。  ──今日の訪問者は十二人。  その数字が多いのか少ないのか、矢生にはわからない。 ●──草薙慎一──  リビングの中央で炬燵に潜り、携帯ゲーム機に熱中していたときだった。 「たとえば、即身仏というものがあるね」  姉の勾玉の言葉に、草薙慎一は顔を上げた。 「坊さんが衆生の救済を願い、厳しい修行の末に自らの肉体を木ミ乃イ伊ラとすることだよ」  蜜柑の入った籠を片手にリビングに入ってきた姉は、炬燵の上に籠を置き、慎一の向かい側から炬燵に入り込む。 「ふうん」  すぐに視線を落とし、難度Sのモンスター狩りを再開する。 「