俺色に染めるぼっちエリートのしつけ方
俺色に染めるぼっちエリートのしつけ方
あまさきみりと
角川スニーカー文庫
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本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。
目次
序章
一章 ねこねこ★しゅべぇげりん
二章 SADSトレーニング
三章 ぼっちエリートへ
四章 反撃の夏コミ
五章 レナト・モリノビッチ
六章 嫉妬と自責
七章 レナトさん、学校へ行く
終章
あとがき
「入学したときから、東雲くんのことが好きでした! 付き合ってください!」
俺は放課後の教室で告白されて──快くOKした。俺こと、東雲甲は同じクラスの七海さんと恋愛関係に発展。つまり、恋人同士になったんだ。
色恋沙汰は広まるのが早い。翌週には俺と七海さんが通う上井草高校中に話が知れ渡り、
「マジかよ!? 七海ちゃんは俺が狙ってたのに……」
「ワタシたちの東雲くんがぁ……」
東雲ロスと七海ロスが同時に発生。
大量の恋愛難民による阿鼻叫喚のユニークな光景となったのだが、誰もが「太刀打ちできない」と話す。それだけ、二人は理想的すぎる恋仲ということなのだろう。
俺から見ても、七海さんは群を抜く可愛さを持っていると思う。ロングヘアーの毛先を遊ばせて、オシャレにも敏感な今どきの女子高生。
常に振り撒く天使な笑顔は、男子連中を「ああ~、生きててよかったぁ~」と恋に堕とす堕落魔法らしい。
昼休みに至っては、七海さんが女子友達から「これからイチャイチャしまくりじゃん! 爆発してしまえーっ!」などと、祝福を込めたイジリの洗礼を受ける。
噂によると、七海さんは男子が実施した『付き合いたい女の子ランキング』堂々の一位とか。まだ入学して数ヵ月しか経っていないにも拘わらず、だ。
「わたしたち、注目浴びちゃってるね。恥ずかしいなぁ……」
「そんなに気にすることないって。それより、昼飯はまだでしょ? 一緒に食べようか」
「うん!」
まだ遠慮がちな七海さんの手を取ると、彼女も頰を赤く染めながら、俺の手を握り返してくる。学食に移動した俺たちは、お互いに向かい合って着席。
七海さんが作ってきてくれた手作り弁当を広げた。
卵焼きやハンバーグが添えられたオーソドックスな弁当は