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作者:水野良
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-11-19(富士见书房)
价格:¥600 原版
文库:富士见Fantasia文库
丛书:グランクレスト戦記(8)
代购:lumagic.taobao.com
グランクレスト戦記 8 決意の戦場 グランクレスト戦記 8 決意の戦場 水野 良 富士見ファンタジア文庫 本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  CONTENTS 第1章 条約 第2章 覚醒 外伝 触手魔法師の帰還  あとがき    第1章 条約     1 「ヴィラール様……」  誰も座っていない一角獣城の玉座に向かって、テオが恭しく頭を垂れた。  広間に集ったアルトゥーク条約所属の諸侯がそれに倣ってゆくのを、シルーカは厳かな気持ちで見つめる。  開放された窓からは、柔らかな月明かりが差し込み、潮の香のする夜風が吹き込んでいた。法衣ローブに重く染みこんでいた汗が、爽やかに乾いてゆく気がする。  思い返せば、今日はひどく暑い一日だった。だが、そんなことすら忘れてしまうほどの激戦が、この日繰り広げられたのである。  一角獣城を取り囲みつつあったアルトゥーク条約軍の隙を狙い、ダルタニア太守ミルザー・クーチェスが城を打って出て、突撃してきたのだ。  条約諸侯の陣は次々と破られ、ついにはテオの本陣にまでミルザーは攻めこんできた。シルーカが築いた堅固な防衛網をも軽々と突破し、ミルザーはテオのもとにたどり着く。そして一騎打ちを挑んだのだ。  シルーカが引き留めたにもかかわらず、テオはそれに応じた。  ミルザーは大陸最強と噂される戦士だ。実力ではテオを圧倒していたことだろう。だが、ミルザーはそれまでの激戦で疲労しており、聖印クレストの力でも今やテオに劣っていた。なによりテオはこのときのために備えていたし、鍛えてもいたのである。  テオは負けない戦いに徹し、ミルザーの体力が消耗し、動けなくなるまで凌ぎきった。決して武勇を讃えられる戦い方ではない。だが、ダルタニア太守を討ち取り、その聖印をあげたことは、まぎれもない事実だ。  今日の戦闘だけでなく、アルトゥーク奪還のため、テオがこれまで示してきた武勲は比類ない。だからこそ、諸侯を代表して今は亡きアルトゥーク伯ヴィラールの玉座に対しているのだ。  長い黙禱を終え、テオが振り返る。 「テオ・コルネーロ公爵……」  アルトゥーク条約の現盟主であり、セーヴィス王ラシック・ダビッドがゆっくりとテ