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作者:七飯宏隆
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-11-02(ASCII Media Works)
价格:¥616 原版
文库:电击文库
丛书:放課後限定勇者さま。(1)
代购:lumagic.taobao.com
放課後限定勇者さま。    第Ⅰ章 〝ウォローナ〟  ある日突然、なんの前ぶれもなく、高校生格里終夜は異世界に召喚された。  休日の自宅のリビングでだべり、録画した深夜番組をだらだら鑑賞していた彼が奇妙な落下感とともに喚び出されたのは、いかにもファンタジーな神殿らしき建物の奥、いかにもそれっぽい魔法陣の真ん中。辺りには、なにがなにやらわからぬ彫刻やタペストリー、見たこともない生きものの剝製が並び、窓の外には奇々怪々な植物の向こうに意味不明な色の空が広がっている。実にわかりやすい異世界である。 「──おお。よもや、本当に召喚に成功するとは!」  右手にテレビのリモコン、左手に割り箸を突っ込んだカップ麵を持って立ちつくす終夜に、興奮した口調で何者かが言った。 「世界は滅亡の危機に瀕しておるのです、『勇者』殿!」 「いつ『魔王』が攻め込んで参るやしれませぬ。一刻の猶予もありませぬぞ」 「どうか御身の力を貸していただきたい。異世界より来たりし『勇者』殿よ!」 「その強大な力で『魔王』を打ち倒し、我らを救いたまえ!」  声は終夜の足下から聞こえていた。わけもわからぬままのろのろと視線を落とすと、  ──ネコ、だった。  ざっと十匹ほどの。  ぬいぐるみやロボットではない。どう見ても本物のネコであるそいつらが、わらわらと彼の足下に群がり、流暢な日本語をしゃべっているのだった。  それを、終夜はリモコンとカップ麵を抱えたまま、まじまじと見つめた。  次に、彼とネコたちしかいない、奇天烈なセンスの神殿を見つめた。  最後に、変な鳴き声を発する変な鳥が飛ぶ、強烈な色の空を見つめた。  彼がその間ずっと、作画崩壊したアニメのごとき間抜け面をしていたからといって、責められる筋合いはないだろう。ほんの一分前までリビングで寝転がり、テレビのあとはネトゲをするか、あるいはラノベの積ん読を消化するか、宿題は明日誰かに写させてもらえばいいし……などと貴重な青春の一日を浪費していたはずなのに、いったいなにが起きたのか。 「──突然のことで驚いておられるようですな、『勇者』殿」  ネコたちの中から、ひときわ目立つ黒ネコが歩み出てきた。 「おお、これは失礼。申し遅れました。小生はスヴァンと申す。貴殿を異世界より召喚した者たちの長にして、ご覧のとおり誇り高きレギンレイヴ族の末裔である!」