俺、ツインテールになります。12
小学館ｅＢｏｏｋｓ〈立ち読み版〉
俺、ツインテールになります。12
水沢 夢
イラスト 春日 歩
目次
序章 異世界の異変。
第一章 ツインテールを掴もう！
第二章 ツインテール・チェンジャー。
第三章 魂の色彩。
第四章 終焉の戦女神。
第五章 蘇るツインテール。
終章 あの日交わした約束。
あとツインテールがき
序章 異世界の異変。
緑が萌え、穏やかな風がそよぐ平和な地平。
城の最上階にあるボクの部屋からテラスへ出ると、そんな穏やかな光景が一望できる。
目を閉じ、しばしの間、心地よい風を身に受けていると──
「ねえねえ、リルナちゃ～ん」
背中に可愛い声がかけられ、ボクは全速力で振り向いた。
部屋の中から、愛しの姉様が呼んでいる。一秒以内のレスポンスが基本さ。
「どうしたの？ 姉様」
「えへへ、次はどんなふうにお兄ちゃんに迫ろっか～？」
テラスから部屋に戻ると、姉様がそんなことを言いながら、椅子に座って脚をぷらぷらと揺らしていた。
姉様超可愛い……。
ボクは世界を統べる王家の双子姫の一人、リルナ。そして、全宇宙で一番可愛いこちらの女神が、ロエル姉様さ。
かつてこの世界は、異世界を航る悪の組織・アルティメギルによる侵略を受けていた。
そいつらは、人の心──属性力エレメーラを糧として生きる、精神生命体たる怪人の集団だ。
属性力エレメーラは、そんな恐ろしい魔物を生み出してしまう一方、人間自身にとっても大きな力ともなる。
ボクは属性力エレメーラの加護で、姉様と合体。この世界の守護者、ツインテールの戦士ロロリーとなって、怪人たちと戦い続けた。
だけど、アルティメギルの戦力はあまりにも底知れなく……姉様とボクは、次第にその強さに屈してしまったんだ。
そんなこの世界を救ってくれたのは、異世界からやってきた別のツインテール戦士。
観束総二という男が変身する少女、テイルレッドをリーダーとするツインテイルズだった。
ツインテイルズはものすごく強かったけど……ボクたちはそれ以上に、真の心の強さを彼らから学んだ。特に、熱血馬鹿の総二からね。
総二は……ボクと、姉様と、この世界にとっての恩人なんだ。
だからって、ボクは総二の全部を認めたわけじゃない。
あいつは姉様に色目を使うし、や
