后退 返回首页
作者:ゆうきりん
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-09-21(集英社)
价格:¥600 原版
文库:DashX文库

代购:lumagic.taobao.com
豊作出来! ~異世界農場へようこそ~ この本は縦書きでレイアウトされています。 CONTENTS 第1話 初めての草食 ~ニギリメシとサンドイッチ~ 第2話 森の野菜を探せ! ~チキンカツのオニギラズとマヨネーズ~ 第3話 小さなノウギョウ ~ヤイバの冒険とラーメン作り~ 第4話 ハタケの秘密 ~初めてのブルーベリーケーキ~ 第5話 森の査察と昔の仲間 ~肉巻きナスの照り焼き~ 第6話 黄金の草原 ダッシュエックス文庫DIGITAL 豊作出来! ~異世界農場へようこそ~ ゆうきりん 第1話 初めての草食 ~ニギリメシとサンドイッチ~ 「長よ……もはや、草食しかないと思います」  自分の言葉に、モウノ村の長たる女たちの顔に怒りと驚愕が広がるのを、暗がりの中でアレイははっきりと見た。  だが、驚きはしなかった。  頭より下に生えているものを食べるのは、聖典に『卑しいことである』とはっきりと書かれている。長い人生を、聖典の教えを守ってきた長たちにとって、アレイの提案は冒瀆に等しいものであろう。 「躊躇いはわかります」  長の中の長、長々が皺の深い口を動かす前に、アレイは言った。 「ですが、現実を見てください。町に出稼ぎに行った女たちからの仕送りは、ほとんど絶えて久しい。金がなければ、商人も肉は売ってはくれません。塩漬け肉も残りは僅かしかないじゃないですか。ここを捨て、他の村に身をよせ、奴隷のように働きますか?」  老婆たちは唸った。  善き人が口にしていいのは、頭の上に生る果実と鳥獣だけと聖典に記されている。  二十二年しか生きていないアレイでさえ、実際、口にするには激しい葛藤があった。長たちが躊躇うのも無理のないことではある。  しかし、背に腹は替えられない。 「俺は竜に呪われ、小獣しか狩れなくなってしまった。男衆がいない以上、取れる道が他にありますか? 長たちが他村を頼るというのなら、俺は子供たちを連れてここを出ます。あいつらの分くらいなら、俺でも何とかできる。蛙なら呪いも効果を発揮しない」  長たちは皺深い顔を見合わせた。 「……おぬしは食ったのか? 草を」  枯れ枝のごとき指をアレイに向け、長々は訊いた。 「はい」  どよめきが、狭く薄暗い小屋の空気をゆるがせた。祈りの印を結ぶ老婆もいた。 「何を食った……いや、草に名などなかった