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作者:ヤスダスズヒト
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-11-10(ASCII Media Works)
价格:¥610 原版
文库:电击文库

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デュラララ!!×博多豚骨ラーメンズ 「うおおおおおおっ、ここが東京ね──ッ!」  JR東京駅のど真ん中で、感極まった男が叫び声をあげている。  歳は三十手前、長身で筋肉質なアスリート体型だが、髪はぼさぼさで服はよれよれ。全身くまなく手を抜いた容姿をしていて、洗練された都会の雰囲気から浮いてしまっている。その手には大きな旅行鞄を抱えており、どこからどう見ても余所者といった風体だった。 「すごかねえ! 人多かねえ! 博多と全然違うばい!」  生まれて初めて見る東京の景色に、その男──馬場善治は子どものようにはしゃぎまくっていた。 「……おい、馬場」  そんな彼の隣で、女装姿の青年──林リン憲シエン明ミンが顔をしかめている。 「うるせえぞ、ちょっと静かにしろ」 「東京の人は歩くのが速かねえ! ねえ!」  周囲を忙しなく見渡しながら騒いでいる馬場の姿に、通行人の冷たい視線が集中する。  林リンはだんだん恥ずかしくなってきた。いっそのこと他人のふりをしたいところだが、馬場は林リンの肩をバシバシと叩きながら話しかけてくる。 「おおおっ、リンちゃん! あれ見てん! 見てん!」 「静かにしろって言ってんだろッ!」  広い背中を思い切り殴りつければ、馬場は「あいたっ」と情けない声をあげる。 「ったく……田舎もん丸出しで恥ずかしいんだよ、お前は」  林リンは横目で睨み、ため息をついた。  林リン憲シエン明ミンは殺し屋だ。  幼い頃に中国の僻地で人間兵器となる訓練を受けて育ったが、今は福岡で暮らし、フリーランスの殺し屋として暗殺の依頼をこなしている。  博多訛りのこの男・馬場善治は、林リンが居候している探偵事務所の所長であり、福岡で殺し屋稼業を営む同業者であり、さらに、所属する草野球チームの仲間でもあった。いろんな顔を持つ男だが、林リンにとってはなにかにつけて相棒のような存在である。  そんな二人が、慣れ親しんだ福岡の街を飛び出し、こうして東京へとやってきたのには、理由があった。  きっかけは、林リンたちが所属している福岡の草野球チーム【博多豚骨ラーメンズ】の監督・剛田源造のひとことである。 『お前らも、たまには遠征したかろ?』  ラーメンズの活動は、主に土日の通常練習と、近隣のチームとの練習試合。それから、たまに開催される大会への出場くらいだ。遠征なんて滅多にない。  なんで