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作者:十本スイ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-10-25(overlap)
价格:¥680 原版
文库:overlap文库

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セイヴァーズ=ガーデンI ~Age of grounD~ 目次 序章 第一章 宿命の始まり 第二章 世界事情 第三章 エヴァの力 第四章 灰髪の少年 第五章 キズナの答え 第六章 神剣の力 終章  ――カンッ、カンッ、カンッ。  乾いた音が周囲に痛烈に響く。加えて、空気を切り裂くような音や、床板を激しく踏み鳴らす音。それらが息も吐かせぬ形で鳴り続けていた。 「はあはあはあ……っ」  少年――天条キズナは、目の前に自然体で立つ存在を見ながら、激しく肩を上下させていた。その手には一本の木刀を持っており、少し丸みを帯びている顎からは汗が床へと滴り落ちる。  目の前の相手から放たれている強烈な威圧感だけで気が滅入りそうになってくるのが現状だ。 (――っふぅ、本当に七十歳を超えてるジイサンなのかな)  顔には年輪が刻まれているように、大量のシワが見える。若い頃は黒かった髪も、今では生気を失ったかのように真っ白だ。  しかしその眼光だけは決して衰えを知らず、一睨みされるだけで大抵の者は萎縮し逃げてしまうこと間違いなしだ。  こちらは息も絶え絶えだというのに、汗すらかいていないというのは悔しさを通り越して最早呆れてしまう。  …………大きく深呼吸をする。  歯を食いしばり、意を決して床を蹴った。全速力で相手の懐へと迫る。 「はあぁぁぁぁぁっ!」  刹那――木刀を落として膝をついていたのは、やはりキズナの方だった。 「――痛つつぅ」  右手と左手の甲がそれぞれ赤く腫れ上がっている。突っ込んだ一瞬の隙に、籠手を両サイドから打たれたのだ。ほとんどその瞬間が見えなかった。 「ああもう……やっぱじいちゃんはバケモノじゃないかなぁ」 「そのようなことよりも」 「……分かってるよ」  痛さを紛らわすように両手を振ってからキズナは立ち上がり、頭を下げて一礼をした。  武は礼に始まり礼に終わる。それが祖父の、いや、天条家の理念だ。  礼をした後は、互いに正座をして向き合う。 「まだまだよのぉ、キズナよ」 「はぁ……これでも一応師範代なんですけど……」  ここは天条家が持つ剣術道場。剣道ではなく剣術を教える道場なのだ。  ただ門下生は鍛錬の厳しさからすぐに逃げ出す者が多く、現在は数えるほどしかいない。この前も三人が入門したのはいいが、ものの三日で来なくなった。故に道場は、ムダに広さを感じさせ