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作者:
七飯宏隆
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-10-27(ASCII Media Works)
价格:¥594
原版
文库:电击文库
丛书:
タロットの御主人様。
(1)
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lumagic.taobao.com
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タロットの御主人様。
七飯宏隆
タロットの御主人様。
1
电击文库
¥594
¥1
ASCII Media Works
2016-10-27
日文
5
ライトノベル, 书籍样本, Kindle本
10
タロットの御主人様。
第1章 四阿秋人くんの日常 自分の見ているものが人とは違うと気づくまでには、ずいぶん長い時間がかかった。 きっかけは、幼稚園に上がって間もなくの頃だったろうか。それまでの俺は、自分の視界が右目と左目でズレていることを、これっぽっちも変だと思わなかったのだ。 右目は普通に見えていた。 左目も普通に見えていた──が、おまけがついていた。 人のまわりに『道』が見えた。 それは普通の、舗装されてたり砂利敷きだったり車が走ったりする、そういう道ではなかった。それらに重なって、人を中心にクモの巣のように広がる、触れることのできない『道』だった。人は俺の右目の中で普通に街を歩くと同時に、左目の中ではその『道』をも歩いた。一歩外に出れば、俺は何の変哲もない街並みの他に、すれ違うすべての人の『道』も見ていたわけで、必然的にしょっちゅういろんなものにぶつかった。でもどうしても出歩けないというほどではなかったし、生まれた時からの光景だったから、「みんなよく平気で歩けるなあ」くらいにしか思っていなかった。物事を深く考えないのは俺の悪いクセで、これは今でも直っていない。 ある日、『道』が途切れている人を見かけた。 他にいくつかの細い『枝道』はあった。でもその人は、俺の左目に見える中で一番太い、すぐそこで袋小路になっている『道』を選んだ。右目の中では大きな交差点に向かっていた。 ──そっちは行き止まりだよ。 声をかけた俺に、その人は怪訝そうな顔で振り向いた。横断歩道の一歩手前だった。 そこへ「フッ」と落ちる大きな影。 気づいた俺が頭上を仰ぐより先に── 巨大な、空を丸ごと覆い尽くすほどの影が降ってきた。 ズン、と震えるアスファルト。 とっさに体を丸めた俺がおそるおそる顔を上げると、そこにあったのは赤くて長い鉄の塊。見上げれば、建設途中の高層ビルで、同じものが格子状の骨組みを作っていた。 横断歩道に深々と突き立ったその鉄骨は、俺が声をかけた人からあと一歩の位置にあった。あまりに異様な光景だった。その人がよろよろとへたり込むのを、俺は野次馬に右へ左へと押しのけられつつ、いつまでもぼんやりと眺めていた……。 興奮気味に『道』のことを打ち明けた俺に、世界一とも言われる占現師だったばーちゃんは言った。 「ああ、それは『輦道』