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作者:七飯宏隆
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-10-27(ASCII Media Works)
价格:¥659 原版
文库:电击文库
丛书:タロットの御主人様。(8)
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タロットの御主人様。(8)      第1章 ワールドアヴァロン  怒濤の文化祭から、早一ヶ月。 『占い喫茶・四阿』で見事最優秀賞を獲得した俺たちのクラスは今、副賞としてゲットした特別修学旅行の真っ最中だった。中間テストと体育祭をなんとかクリアし、そろそろ秋の気配も色濃くなってきた二学期半ば。全校生徒が地獄のオリエンテーリングをやってる間に、日本全国どこへでも好きな場所へ行ける──そんな夢のような待遇にすっかり浮かれ、俺たちは一泊二日の日程でこの南の島へとやってきたのである。  正直、文化祭で取り逃がした〝審判〟のカードがどこにいるのか、いつ再戦を挑んでくるのか、気にならないわけじゃない。けどもう一ヶ月だ。こんだけ待ってもなにもなかったってことは、ちょっとくらい息抜きしたっていいってこと……だよね? 〝ワールドアヴァロン〟は現在日本中、いや世界中から注目されている、最先端の近未来型テーマパークだ。  その最大の特長は、ここへ来るまでのモノレール内でこれでもかってくらい見せつけられたとおり、入園者がハイテクゴーグルを通じて拡張現実を体験できることにある。実際、島の入場ゲートに降り立った俺たちを出迎えたのは、何重にも虹のかかった空を飛ぶクジラとか、ちょこまかと二本足で駆け回る服を着たネコとか、手足の生えた本とか椅子とか、エルフとか小人とかドラゴンとか──とにかく現実には存在しないものばかり。どいつもこいつも本物としか見えないから、早くも常識的なバランス感覚がグラついてきてる。  この風景だけでも来たかいがあるってのに、こういった架空の映像たちが国内最多を誇るアトラクション群に応用され、今までのテーマパークとは次元の違うエンターテイメントを実現してるっていうんだから、いやがおうにも期待が高まろうってもんだ。 「──もっとも現在は、まだプレオープン期間なんですがね。現在ここに入れるのは、限られた人間だけです」  入場ゲートに突っ立ったまま先へ進むことも忘れ、ゴーグルをつけたりはずしたりしながら景色に見とれてた俺たちのもとに、スーツ姿のお偉方っぽい人や作業着のエンジニアたちがわらわらとやってきた。まわりが非の打ち所のないファンタジー世界なだけに、むしろ彼らの方が作りものっぽく浮いて見える。 「本日はようこそおいでくださいました、籐子お嬢様! スタッフ一同、心を込めておもてなしいたします