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作者:犬村小六,岩崎美奈子
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-09-21(小学馆)
价格:¥712 原版
文库:Gagaga文库
丛书:やがて恋するヴィヴィ·レイン(1)
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やがて恋するヴィヴィ·レイン 1 小学館eBooks〈立ち読み版〉 やがて恋するヴィヴィ・レイン1 犬村小六 イラスト 岩崎美奈子 目次 序・一 序・二 一章 罪人 二章 王族 三章 夢のあと       序・一  はじまりは、夜空に咲いた炎だった。  雲を引き裂き、密に詰まった星彩をキャンバスにして、ふたつ、三つ、焼けただれた花弁が夜のさなかへ紅をひろげる。  遠いとどろきが、砂漠をいく旅芸人一座へ伝った。大人たちが顔を上げ、雲の彼方、次々に咲いていく炎へ目を細める。 「エデンの輸送船だ。夜に飛ぶのは珍しいな」「でかいぞ。見たことないくらい」「接触かな。標識灯は点いているが……」  ひそひそと話し合う声を耳の端に聞きながら、ひとりの少年が大人たちに並んで、明るく染まった星空を見上げていた。  なにかがはじまろうとしている。  まだ九歳の少年の脳裏にそんな言葉が勝手によぎった。気がついたら少年は、夜を焦がす炎のもとへ駆けだしていた。 「おいルカ、抜け駆けするなっ!」「いま近づくと危ねーぞ。ごみが降ってるだろー」「死にたいんだろ、ほっとけよ」  警告の声を背中に受けて、ルカと呼ばれた少年は息を切らし、顎を上げて夜の砂漠を走った。  天空から重い響きが伝うごとに、月光をきらきら弾きながら船体の欠片が雪みたいに降るのが見えた。あれが直撃したら命はない。しかしなにかに招かれるように、ルカは大人たちを後方へ残して砂丘を駆け下り、また駆け上る。近づくほど被災した飛行艦艇の輪郭が明らかになって、事故の全貌が炎のうちに照らし出される。 「翼竜が……っ!!」  体長三十メートルは超えているであろう巨大な翼竜が群れなし、二隻の飛行輸送船にかぎ爪を突き立て、推進装置や方向舵を破壊していた。飛翔石を構造材に用いた船体は、翼竜の牙の前にもろくも噛み砕かれている。  翼竜が飛行艦艇を襲う、などという話は聞いたことがない。とてつもなく異常な事態がいまこの空で起きている。ルカは足を止めて、翼竜の怒りの出どころを見極めた。  ──あの船の荷物を、翼竜は取り返したいんだ……。  そう思った瞬間、輸送船の下腹部で大きな爆発が起こり、格納庫に積まれていたとおぼしい大量の積み荷がばらばら、空へむかってぶちまけられた。翼竜は落下物に構うことなく輸送船への攻撃をやめない。  ルカは意を決し、さ