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作者:佐島勤
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-10-07(ASCII Media Works)
价格:¥610 原版
文库:电击文库
丛书:魔法科高校の劣等生(20)
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魔法科高校の劣等生(20) 南海騒擾編  [1]  オーストラリア、ダーウィン基地。以前は国際空港があった地だが、世界群発戦争の後、オーストラリアが実質的に鎖国状態に移行したことにより、国際線民間空港は閉鎖された。  その代わり、ここにはイギリスの肝煎りで魔法師研究施設が建設された。  一般に、鎖国政策をとったからといって外国との交流を完全に断ってしまうわけではない。国家として外交を遮断していても、民間貿易の形式で──あるいは民間同士の交流に偽装して──限定的な外国とのつながりを維持する。  ましてやオーストラリアの場合は鎖国を国是として掲げているわけではなく、テロリストの侵入を阻止するという名目で人の出入りを極めて厳しくしているだけだ。実質的に、出入国が不可能となる程に。  だから政府が必要と認める相手ならば、秘密裏に受け容れる。交渉が必要ならば内密に外交官を差し向ける。  砂漠化の停止と砂漠の耕地化に成功したオーストラリアは、食糧資源も鉱物資源も自国だけで足りている。自給自足が十分に可能だ。  オーストラリアが必要としているのは自分の国を守る軍事力と、その為の軍事技術。  特に、海岸線を越えて国内に侵入したゲリラ的軍事勢力を、国民の生命と財産に対する犠牲を最小限に抑えて駆逐することができる軍事魔法技術だ。  歴史的経緯からこの国が頼りにしたのは、USNAと並んで魔法技術の先進国と見なされているイギリスだった。  ダーウィン空軍基地にイギリスからの極超音速輸送機が降り立つ。成層圏上層を音速の六倍で飛ぶ最新鋭機だ。イギリス空軍にとって虎の子の機体であり、極超音速爆撃機にも転用可能なこの機体を使用したのは、送り届ける乗客がイギリス軍にとってのVIPだからだった。  その者は高級将校でも有力政治家でもなく、身分は民間の研究者だったが、イギリスにとっては国防力を左右する、まさに最高級の重要人物だ。 「サー・ウィリアム・マクロード。ご来訪を歓迎致します」  ダーウィン基地司令官が直々に出迎えたイギリスのVIP。それは戦略級魔法師十三使徒の一人、ウィリアム・マクロードだった。──なお公認戦略級魔法師が十三使徒のままなのは、大亜連合が劉雲徳の戦死を公式には認めていないからである。 「ご丁寧なお出迎え、痛み入ります」  マクロードは現在六十歳。銀色の髪をきれいに撫でつけた長身瘦軀の老紳士だ