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作者:松村涼哉,竹岡美穂
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-10-07(ASCII Media Works)
价格:¥570 原版
文库:电击文库

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おはよう、愚か者。おやすみ、ボクの世界  5月14日21時12分。  俺たちは、無事、江守の家へ到着した。 「まさか大村が来るとは思わなかったから」  江守は恥ずかしそうに言った。 「来ると分かっていたら、もっと片付けしたのに」  江守の部屋は、散らかっていた。服は何着も椅子に積まれているし、ベッドの付近には文庫本やマンガが何冊も投げ捨てられていて、カバーが取れていたり折れていたりする。捨てる習慣がないのか、要らないプリントが部屋のあちらこちらで山になっていた。 「来なくとも、掃除しなさい」  俺をベッドに座らせると、江守は一旦部屋の外へ救急箱をとりに行った。そして、扉の外から聞こえる大声から、どうやら両親に必死に説明しているらしかった。突然、娘がこんな夜に見知らぬ男を連れて来たら、あらぬ誤解を受けるだろう。挨拶した時に両親が見せた、辞書に載せたいくらい完璧な苦笑いを俺は忘れない。  氷と救急箱を持ってきた江守は、すぐに俺の応急処置を手早く済ませた。さすが我が陸上部のマネージャー。日頃から打撲や擦り傷を負った部員に処置をしているせいか、手際が良い。地面に強く打ち付けた肘に氷を当てて、それから擦った右手の傷を消毒してくれる。 「サンキュ。この恩は絶対、返すよ」  そのあとで取りかかるのは、情報収集。やっと落ち着いて調べられる場所まで辿り着いたのだ。 『エノキダハルト』とスマホで検索すると、姓名判断サイトのほかに、一人の少女の画像が現れた。  どうやら有名人らしい。カタカナで入力すると、簡単にヒットした。漢字は、榎田陽人。中体連の剣道大会の記事だ。意外なことに、榎田は女子中学生だった。ポニーテールのすらっとした少女が、カメラをつまらなそうに見つめている。所属中学が何回か変わっているから、転校続きの子らしい。もちろん、俺に見覚えはない。  これが、この事件の首謀者なのかは判断できない。だが、この記事に間違いないなら、榎田陽人と北崎たちは同い年ということになる。SNSのプロフィール欄の情報と同じ。彼女は本名を晒して、俺の罪を告発しているのか。  正直に言えば、信じがたい。この愛らしい女子中学生が、俺を追い詰めようとしているなんて──。 「いいから休んでいて」俺の焦りを見透かしてか、江守がクッションを手渡してくれる。「とりあえずは、この家から動かない。もうみんなは呼んだから。私はまだ検