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作者:入間人間,フライ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-10-07(ASCII Media Works)
价格:¥550 原版
文库:电击文库
丛书:いもーとらいふ(2)
代购:lumagic.taobao.com
いもーとらいふ〈下〉  衝撃的な結末が、彼を襲う。 「本当はあなた 「………………………………………」  確かに衝撃的な結末だった。本を閉じていいか迷うほどだ。吐瀉物のように降りかかった血の勢いで端がふやけて破けそうになっている。目を凝らして確認してみたが両方のページが血まみれとなったのでこれ以上の被害はないだろうと、まずは本を畳むことにした。  畳むと血で貼りつき、もう開きそうになかった。これが血糊というやつか。一つ勉強にはなったが、失ったものも大きい。見つめているとページの間から、挟み込まれた血が垂れ流れる。粘ついている血と、そうでないものの二種類があるのだろうか。異物が混じっているか否かの違いかもしれないと思った。  目の前には上から降ってきたやつがいる。好きで降りたのか、落とされたのかは知らないが身体が縦に割れていた。その割れた部分から果汁のように噴き出した血液が俺を濡らしたのだ。しかも運が悪いことに、被害はそれに終わらない。  落下先にはマンションへ向かう途中だった男がいた。電話でも弄っていたのか少し立ち止まっていたが、それが仇となった。そいつと降ってきたやつが、これまた偶然か故意か定かじゃないが激突してしまった。した方も、された方も横たわったまま反応がない。お互いの血が混じり合って、潰れた野菜が重なっているようだ。落下の衝撃でちぎれたのであろう頭部の皮膚が、トマトの皮そのままに見えた。  マンションの外を照らす仄かな灯りの下で見る血は、どちらも同じ色で差がないようだった。血の色に個人差や健康の具合は現れないのだろうかと、少し気になった。  その二人の血が俺の服や肌にも激しく降りかかっている。近くに大きな川が流れているせいか夜風は強く、冷淡なものを含む。風に晒された血液が押さえつけられるように肌表面にまとわりついて、感触にゾッとしたものが走った。ぷくぷくと、冷気を吸い込んで肌の上で膨れあがるようでもある。服の方も肌との潤滑剤を成すように血が染みこんで、大変に着心地が悪い。  落下した現場付近にばらまかれたであろう血液肉片その他は均等に配置されず、偏っている。不運なことに道路よりマンションの方に多く割かれていた。結果として俺もそれを被り、同様に脇にあった植え込みの植物にも夜露のように浮かんでいる。水滴よりもずっと重そうな赤い液体が、葉の上で玉となって共に震えてい