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作者:兎月竜之介,ハル犬
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-08-25(集英社)
价格:¥600 原版
文库:DashX文库

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私たち殺し屋です、本当です、嘘じゃありません、信じてください。 この本は縦書きでレイアウトされています。 Index ①汗と涙の手作りハンバーグ ②美味しいスープは仕事のあとで ③注文の多いレストラン ④旅立ちの日に ⑤黒薔薇の姉妹 ⑥ある男の最後 ダッシュエックス文庫DIGITAL 私たち殺し屋です、本当です、嘘じゃありません、信じてください。 兎月竜之介 Chapter1 汗と涙の手作りハンバーグ  重々しい金属音を響かせながら列車が減速を始める。  車窓を眺めていた二人の少女は、それに気づいて同時に顔を見合わせた。  二人とも年齢は十代半ばを過ぎた頃。  学生らしさのあるシンプルなブラウスとスカートを身につけている。 「やっと次の街に着いたか。景色もいい加減に見飽きてたところだ」  一人目の少女、銀髪を両サイドで結んでいる方が腰を浮かせて伸びをする。  二人が席を取っているのは寝台列車の一室だ。カーテンで通路と仕切られた一室には、横長の客席が二つ並んでいる。客席はベッドを兼ねているため多少柔らかいが、それでも何時間も腰かけていると体への負担は酷いものだった。  銀髪の少女は無愛想な顔つきで、首や肩を回してストレッチする。  彼女はまるで良くできた人形のように整った容姿の持ち主だ。本物の銀細工であるかのように輝いている頭髪。白磁のように透き通った肌に、ほんのりと赤みが差している頰。深い青色の瞳に見つめられたら、誰もが魅了されずにはいられないだろうが……ストレッチをしたあとにあくびをしている姿はどこか気が抜けていた。 「ふかふかベッドの一等車に一度くらいは乗ってみたいものだな」 「そのためには大金持ちにならないとね……」  二人目の少女、黒髪を肩まで伸ばしている方が苦笑いする。  小柄な銀髪の少女に比べると、黒髪の少女はやや背が高めだ。健康的な肌色で、そのタイプの人種らしい童顔であるが、瞳は鮮やかなエメラルド色である。柔らかな笑顔が印象的で、周囲を和ませるようなほんわかとした雰囲気を纏っていた。 「ヴィクトリアはふかふかベッドの一等車で旅したい?」 「まあ、憧れはするが……普通に旅をするなら格安の席で必要十分だな」  銀髪の少女――ヴィクトリアは壁から下ろした折りたたみのテーブルに肘をついた。  必要十分と言ったそばから、折りたたみのテーブルがギシギシと軋む。  あと