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作者:北國ばらっど,村上ゆいち
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-08-25(集英社)
价格:¥600 原版
文库:DashX文库

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僕らはリア充なのでオタクな過去などありません(大嘘) この本は縦書きでレイアウトされています。 CONTENTS 序章 『佐々井望は変わりたい』 一章 『来々木瑠句について、どう思いますか?』 二章 『彩李羽音は最初から知っている』 三章 『休日に彼と彼女と彼女は踊る』 四章 『野々村麻紀は結局どの形でも満足する』 終章 『佐々井望は変わりたい』 ダッシュエックス文庫DIGITAL 僕らはリア充なのでオタクな過去などありません(大嘘) 北國ばらっど 序章 『佐々井望は変わりたい』  高校進学の、二週間前のことだった。 「おお……」  当方、引っ込み思案ガチオタ系男子。  当然ぼっち。  いわゆる〝陰キャラ〟と呼ばれる人種である。  そんな俺が、生まれて初めて訪れた美容室。  足を踏み入れた瞬間に「ここはお前の居場所ではない。死ぬがよい」と言われたかのような気になってしまった。  実家から電車で二十分。わりと近場にあるのがこの美容室〝キャンディポップ〟。  カリスマ読者モデル、登道ローラ行きつけの店として、テレビで紹介されていたので訪ねてはみたが……こりゃキツい。  煌びやかな内装、色とりどりの整髪料。  そして、ただよう香水のような匂い。  店員は当然オシャレだし、来ている客層までおしゃれである。  右を見ればリア充くさい。  左を見てもリア充くさい。  ヤバい、なんか刺さる。この、キラキラした感じのムードのキラキラ部分が、すげー非リア充な俺に突き刺さる。  あーもう無理無理。やっぱ俺に美容室とか無理。  すでに心が折れかけていた俺は、今にも何もかも投げ出して、家に帰ってお布団もぐってゲームしたい気分になっていた。  そんな状況での、ことだった。 「――――がっ」  突然、響いた声の方へと、視線が引きつけられた。  待合席の長椅子に……女の子が、いた。  クセ毛の黒髪。  目元を隠す、ガードのような長い前髪の奥にはメガネ。  自然と丸くなる背筋は、俺たち「陰キャラ」の特徴。自信のなさをあらわす、日蔭者の仕草。  ……この女の子は、〝同類〟だ。  違うのは性別くらいで、性質的には、同類だ。  その子を意識した瞬間……一気に、身の回りの空気が軽くなった。 「が……ガン・ガール…………!」  上ずった声で、女の子は続けた。  震える手で指さした