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作者:澄守彩,すし*
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-09-02(讲谈社)
价格:¥594 原版
文库:讲谈社轻小说文库

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虚無の魔王、創世の英雄姫 ご利用になるブラウザまたはビューワにより、表示が異なることがあります。 口絵・本文イラスト/すし* デザイン/木村デザイン・ラボ 序章 再臨前夜 「エレノーラは、このくにをえがおでいっぱいに、したいですっ!」  幼い姫が、にぱっと笑みを咲かせた。 『この国をどんな風にしたいか?』と、父王から唐突に尋ねられての即答だ。  父王は満足げにうなずいて、彼女の金髪を撫でた。  ぎこちない動きがくすぐったくて、気持ちいい。 「笑顔であふれる国か。なら、たくさん勉強して、よい王様にならないとね」 「はいっ!」  元気よく返事をした我が子に、父王は背に隠した物を差し出す。  一冊の、真新しい本だった。 「この本はね、勇者様が記されたものだよ」  エレノーラは「ゆうしゃさま……?」と小首をかしげた。目をぱちくりさせるたび、金色の髪がわずかに揺れる。数秒かかってから、片手をピンと伸ばして叫んだ。 「ごせんぞさまですね!」  かつて悪の魔王を封じた、勇者。その血をエレノーラは受け継いでいる。  早く早く、と待ち切れずに両手を前に出した。本を受け取ると、ずっしりとした重みで腕が下がる。  不思議な本だった。  装丁は重厚。中の紙はつるつる。その上質さは群を抜いていた。  長い年月を経ても色褪せず、刃を通さず、火も寄せつけない。盗まれようが捨てようが、いつの間にか本棚の隅に戻っている。  そんな逸話を父王がにこやかに語って聞かせると、エレノーラは碧眼を輝かせた。 「もしかして、まほうがかけられているのですか?」 「魔法……? ああ、そうかもしれないね」  勇者が記した魔法の本──魔導書。  おとぎ話が現実味を帯び、エレノーラは興奮で身震いする。  魔導書といっても、内容の大部分はとある物語が綴られていた。  千年の昔。軽く腕を振るうだけで街ひとつを燃やし尽くす力を持った、最強最悪の魔法使い──魔王。  彼と、それを封じた勇者の物語だ。 「魔王はとても恐ろしい行いをしてきた。その本にも描かれているが、恐くないかな?」 「こ、こわくなんてありません。だいじょうぶ……きっとだいじょうぶですっ!」  父王はすこし驚かせすぎたと反省したのか、柔らかな笑みに戻って言った。 「うん、そうだね。エレノーラなら大丈夫だ。では、その本でよく勉強し