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作者:林直孝(mages.),祐佑 , Okiura
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-09-10(ASCII Media Works)
价格:¥690 原版
文库:电击文库

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プラスティック·メモリーズ -Heartfelt Thanks- 1  回収当日は、いつも、気が重くなる。  社用車の助手席に座ったまま、俺は窓に映る自分の顔を眺めた。あんまり深刻に見えないように。かと言って、ヘラヘラしているようにも見えないように。  自分がこれから浮かべるべき表情を確かめた。  車が、見覚えのある家の前で停まった。事前に二度ほど訪ねたこともあって、周囲の景色はしっかり記憶に焼き付いていた。 「着いたよ」  運転席から、俺のパートナーである、いたいけな少女がぼそりとつぶやいた。  うなずいて、手元のファイルを持って車を降りる。  ドアミラーで、自分の制服のネクタイが歪んでいるのを直してから、同じく運転席から降りて横に立ったパートナー──アイラ、という名だ──に向き直った。  十八歳男子の平均的な身長である俺よりも、彼女は頭ひとつぶんぐらい低い。体つきも全体的に華奢で、ほっそりしている。銀色の長い髪を高い位置で二つに結んでいることもあって、容姿からは幼さを感じさせた。  今、その顔には緊張した面持ちがにじみ出ている。  俺はアイラの赤い瞳をまっすぐに見つめて、リラックスさせるために笑いかけた。 「緊張してない?」 「大丈夫」  アイラは、自分に言い聞かせるように、そう答えた。 「私に、任せて」  だ、大丈夫かな……。  脳裏に、不安が一瞬よぎった。  俺たちは、少し前に大きな失敗をしでかしたばかりだったから。  いやいや、でも、俺がパートナーを信じないでどうするんだ。  彼女が任せてほしいって言うなら、それを全力でサポートするのが俺の役目じゃないか。 「アイラ、緊張しすぎると、相手に伝わっちゃうよ」  安心させてあげたくて、彼女の肩を優しくポンと叩いた。  するとアイラも、まだ表情は固いものの、その俺の手に軽く指を添えてくれた。 「うん。気を付ける」 「よし、それじゃ行こう」  俺はアイラを促すと、目の前の家のインターホンを押した。 「SAI社ターミナルサービスから来ました、水ミズ柿ガキツカサです」 『ギフティア』。  それは、俺が勤めるSAI社が〝心を持つアンドロイド〟っていうコンセプトで開発・販売しているアンドロイドの名称だ。  この時代、アンドロイドは社会の中にごく普通に溶けこんでいる。  多くのメーカーが、競って様々な機能を持ったアンドロイドを発