后退 返回首页
作者:哀歌,冬馬来彩
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-09-09(ASCII Media Works)
价格:¥650 原版
文库:电击文库

代购:lumagic.taobao.com
このたび、勇者はモン娘をアイドルへ導くことになりました   第一章 勇者の誓い 「……」  黙々と食事を進める。キラキラと輝くような黄金色の卵で炒めた米をとじ、煮込んだ仔牛の肉を添えた料理だ。空腹感を強烈に刺激する香りにリックは唾液の分泌が止まらなくなる。  美味しい。美味しいのだが。 「あのさ、食事はもっと明るい表情でするものでしょ。そんな難しい顔して食べるのは作った私に失礼だよ」  考え事をしながら食事をしているのが看破されてしまい、厨房から顔を出したリーベルがやんわりと注意してきた。  澄んだ湖面を思わせる長く美しい青い髪と浅葱色をした大きな瞳が特徴的な少女だ。整った顔立ちに浮かぶ笑顔を見ていると安堵感を覚えるような優しさが感じられ、佇まいには上品な気質が感じられる。印象だけならば王家の人間とも思えるような、文句のない美少女なのだが、真っ白な調理服の前掛けを付け、鉄鍋を片手に料理を作っている姿と合わせると少しチグハグだ。 「美味いよ。すごく美味い」 「味を聞いてるんじゃないよ。久しぶりに会いにきてくれたっていうのに、どうしてそんな顔してるかなぁ……」  やれやれとリーベルは肩を竦めつつ、見事な手捌きで鉄鍋を振り、料理をひっくり返した。  食事をしながら愚痴を吐くリックと、その話を聞きながら料理を振舞うリーベルは、傍から見れば常連客と店の従業員にしか見えないだろう。けれど、リックは世界を混沌に陥れた魔王を打ち倒した伝説の勇者であり、リーベルは勇者一行を支えた偉大な賢者なのである。  リック達が魔王を倒し、一月が過ぎた。時には世界に平和をもたらした英雄として派手な歓迎を受けることもあるけれど、それも徐々に落ち着き始め、現在では店で食事をしても騒ぎになることはなくなっていた。 「それで、最近はどうなの?」 「どうって?」 「種族間の喧嘩だよ。少しは収まってきた?」  料理を盛り付けながら、リーベルはふわりと花のような笑顔を浮かべて尋ねた。 「……まぁ、ぼちぼち」 「ぼちぼち?」 「そう、ぼちぼちだよ」  けれど、リックはぶっきらぼうに言うと、皿に残っていた料理を一気に搔き込み会話を打ち切ってしまった。  元々、世界には人間だけでなく様々な種族が存在している。妖精族、聖獣族、亜人族と種類は様々で、人間と共存共栄を選ぶ種族もいれば、一切干渉をしない種族も存在していた。人間に対する温度差