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作者:赤雪トナ,藤ちょこ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-08-25(overlap)
价格:¥670 原版
文库:overlap文库
丛书:三つの塔の物語(2)
代购:lumagic.taobao.com
三つの塔の物語 2 目次 第一章 「再会」 第二章 「千客万来」 第三章 「王都騒乱」 「ちょいとそこ行くお兄さん、寄っていかないかね?」  呼ばれた男は悩んでいた。一目惚れした女とどうすれば恋人になれるのか。女と同じ挑戦者をやっていたのは接点ができる可能性があって運が良かったと考える。  もともとは貴族の三男で家を継げないから親から塔探索を勧められ、惰性でやっていたのだ。男が死なないように親は元挑戦者を雇い、鍛えられてからの挑戦だった。親としては塔探索である程度の実力と実績をつければ兵になることが可能で職に就けるだろうという考えだった。男はそれを察することができず、家に役立つアイテムを手に入れられればラッキー、死んでもともとなのだろうと受け取っていた。  すれ違いのせいでやる気はいまいち起きなかったが、特別頭がいいわけでも誇れる才があったわけでもない男は、ほかにやりたいことなど見いだせず塔に挑むことにした。  元挑戦者が真面目で、鍛練と学習に半年かけたおかげで、男は苦戦らしい苦戦をすることなく塔を上がっていく。  順調に実力をつけていったある日、一つの噂を聞いた。一人で五十階まで上がり神器を得た女がいるという噂だ。そのときはすごい奴もいるものだと興味なさげに流したが、それからいくばくかの時間が流れてエクストラチャレンジャーズに新メンバーが加入したことを知る。それが以前噂に聞いた神器持ちだと知った男は、どんな奴なのか一度くらいは見るかと人ごみの中から、エクストラチャレンジャーズを見る。  そのときの衝撃は今でも忘れられない。体が痺れたように動かず、見開いた目が神器持ちの女からどうしても離せない。胸は高鳴り、あの女が欲しいという思いが沸き上がりあふれ出す。  想いを抱いたと同時に、その困難さにも思い至る。  相手は神器持ちでエクストラチャレンジャーズ。対して自分はただの挑戦者で貴族の三男坊。向こうは王族が頭を下げてでも迎え入れたい存在だ。自分では地位も力も足りず、手が届かない存在だった。  この張り裂けるような想いを抱いて彼女を見続けるだけなど、男にはできそうになかった。  どうすれば、どうすれば、それが脳内で繰り返される。どうしたら恋人になれるかと思考がそれのみに偏っていく。実家の力では神器持ちを縛り付けることなどできない。可能性があるとすれば自分もエクスト