レンタルマギカ 全23巻
【合本版】
レンタルマギカ
全23巻
三田 誠
角川スニーカー文庫
目 次
レンタルマギカ ～魔法使い、貸します！
レンタルマギカ 魔法使いVS錬金術師！
レンタルマギカ 魔法使い、集う！
レンタルマギカ 竜と魔法使い
レンタルマギカ 魔法使いの宿命！
レンタルマギカ 魔法使い、修行中！
レンタルマギカ 鬼の祭りと魔法使い（上）
レンタルマギカ 鬼の祭りと魔法使い（下）
レンタルマギカ 魔法使いのクラスメイト
レンタルマギカ 吸血鬼VS魔法使い！
レンタルマギカ 妖都の魔法使い
レンタルマギカ 魔法使いの記憶
レンタルマギカ ありし日の魔法使い
レンタルマギカ 魔法使いの妹
レンタルマギカ 旧き都の魔法使い
レンタルマギカ 滅びし竜と魔法使い
レンタルマギカ 銀の騎士と魔法使い
レンタルマギカ 白の魔法使い
レンタルマギカ 魔法使いの妹、再び
レンタルマギカ 争乱の魔法使いたち
レンタルマギカ 死線の魔法使いたち
レンタルマギカ 最後の魔法使いたち
レンタルマギカ 未来の魔法使い
レンタルマギカ
～魔法使い、貸します！
三田 誠
角川スニーカー文庫
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序章
五月、倫敦ロンドン。
霧の都の名にふさわしく、その早朝も、寄宿舎の庭園は白い霧に滲んでいた。
かすかに湿った芝生を踏み、蔦のからまるチャペルの手前で、穂波・高瀬・アンブラーはスーツケースを押さえた。
大理石づくりの正門で、見知った顔の老紳士が待っていたのだった。
「マクレガー先生」
「──ミス・ホナミ。故郷へ戻るとしても、挨拶ぐらいはしていったらどうかな？ 危うく近年の最優秀生を見送りそこねるところだった」
足元の霧に、とんと杖をついて、マクレガーが山高帽を胸へ当てた。
流暢な日本語である。
穂波は、くすりと笑うと、こちらも大きなとんがり帽子を脱いだ。栗色のセミショートの下から、薄縁の眼鏡と、その奥の蒼氷色の瞳アイスブルー・アイが露わになる。十五歳の初々しい身体に、真っ白なブラウスとタイトスカートが眩しかった。
「お手をわずらわせることも
