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作者:葛西伸哉,さくらねこ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-09-02(Hobby Japan)
价格:¥535 原版
文库:HJ文库
丛书:ヴァンパイア/ロード(1)
代购:lumagic.taobao.com
ヴァンパイア-ロード ~君臨するは、終焉の賢王~ 目次 序章 第一章 血の縁 第二章 決別の夜 第三章 永く紅い系譜 第四章 集結する力たち 第五章 罠と罠 終章 あとがき 序章  血――。  暗く深い赤い色。鉄錆めいた匂い。そして肌に滑りつく生暖かい感触。  弱々しく震える妹――美紘の身体を抱きしめて懸命に傷口を押さえる神鎚黎は、全身で血の存在を感じていた。否応なしに感じざるを得なかった。  ほんの数分前までは、いつもの我が家だった。父が遅めの晩酌をして、母は笑顔で酒肴を用意していた。妹は部屋に籠もっていたが、自分はテーブルに着き両親と語らっていた。  それが今はDKダイニングキツチンに両親の亡骸が横たわり、妹は自分の腕の中で一秒ごとに冷たくなっていく。  死体は両親だけではない。両親を殺めた襲撃者たちも首や腕を切り離され、動かぬモノとなってDKやリビングに転がっている。  そして、目の前には襲撃者を屠った少女。  奇異な、しかし美しい姿だった。  白磁の肌と整った容姿、そして長く艶やかな銀髪のせいか、どこか生気に欠けた人形めいて見える。瞳も、常人にはあり得ない赤みがかった紫だ。身に纏っているのは漆黒のドレスを白いレースとフリルで飾った、浮き世離れしたゴシックロリータスタイル。  だが、容貌よりも衣装よりも、異様で非現実的なものが彼女の手に握られていた。  鉾槍ハルバードだ。  全長は少女自身の身長よりも長い。銀色の先端は磔刑のイエス像をベースに槍の穂先と斧の刃、そして鎌状のスパイクを組み合わせた武器。その刃も赤い鮮血で濡れている。  彼女もまた、殺戮の側に属する者だった。  死と血にまみれた家の中で、生きている家族は黎と美紘だけだ。だが、美紘の生命も急速に失われつつある。  太い動脈が傷ついているのだろう。止血しても効果は乏しく、とくとくと溢れ出る血は黎の腕を濡らして零れ続けている。その勢いも既に弱く、リズムを失った流れに変わっていく。送り出す心臓の力そのものが枯渇しようとしているのだ。  黎は、ぎりぎりと奥歯を噛みしめた。  理不尽に家族を、平穏な生活を奪った者への怒り。それ以上に、死にゆく妹に対して何もしてやれない己への憤り。  特別な技術も力もない、ただの高校生だ。今にも終わろうとしている美紘の生命を救う術など持たない。  いや、待て。  本当にそ