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作者:翅田大介
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-09-02(Hobby Japan)
价格:¥551 原版
文库:HJ文库
丛书:神話大戦ギルガメッシュナイト(3)
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神話大戦ギルガメッシュナイトIII 目次 序章  闇ノ吐息 一章  夜ト夜ノ合間 二章  巨狼 ト 獅子 三章  愉快 ナ 確信犯 四章  狂乱 ト 共演 終章  宣告 ト 宣言 あとがき 序章  闇ノ吐息  涯ての知れぬ暗闇の奥底に、無数の画面が浮き上がって弱々しい明かりを放っていた。  並んだ画面を眺めるのは、屈強な体躯を高価なスーツで包んだ男であった。髪に白いものが多く混じっているが、その表情には一切の衰え、弱々しさは見受けられない。刻まれた深い皺は、むしろ男の強靭さを引き立たせているようにも見える。  物部昴造。  各国に影響力を持つ国連の魔導工学諮問機関『カルディア委員会』の代表。世界の表と裏とを問わず、あまりに有名な男であった。  物部の鋭い目が眺める画面では、幾多の戦いが進行中だった。  虹色の後光を背負った者たちが、地を裂く剣を振るい、空を貫く矢を放ち、巨大な獣を使役する。戦闘フィールドとなった何処かの寺社仏閣は瞬く間に壊滅してゆき、まるで神話の戦いが顕現したかのようだ。  魔導工学先進都市・新京都の再現史跡で行われる『摩天の夜宴バビロン・ナイト』の光景であった。魔力の絶対支配権たる神性を有する〈聖楔者ヒエロス〉同士の戦い。神々の代行者たちの戦いは、正しく神話の再現であり、数多の神格の入り混じった神話の再編でもある。  カルディア委員会の目下最大の仕事は、この超常の戦いである『摩天の夜宴』の管理運営であった。無限の魔力を産出させる魔力湧出炉〈BABEL〉――その完成に必須たる《天命の書版》を再生させるべく『摩天の夜宴』の進行に精力を注いでいる。  その管理進行の総括ともいえる物部は、いまも新京都の各地で行われている戦闘を一心不乱に見つめているが、その視線は数百光年を旅してきた星光のごとく、温度の抜けきった冷ややかな眼光であった。 「――今夜も盛況ね」  音質は幼いのに、響きは穏やかな淑女めいた、不思議な声が投げ掛けられる。  物部がチラリと目を向ければ、暗闇の中から小柄な人影が光の領域へと姿を現した。  背丈はせいぜい十代中盤の少女。しかしその身体は豪奢で洗練されたドレスで飾られていた。さらに、時代がかったヴェール付きの帽子を被っている。  一歩間違えれば行き過ぎたコスプレであるが、帽子の端から溢れる鮮やかな銀髪のせいか、かろうじて垣間見える