ふぉーくーるあふたー3
小学館eBooks〈立ち読み版〉
ふぉーくーるあふたー3
水沢 夢
イラスト bun150
目次
Avant‐Title:その日、魔星少女は哭いた。
9th:主題歌を歌おう。/A‐part
9th:主題歌を歌おう。/B‐part
10th:アイドルな魔星少女。/A‐part
10th:アイドルな魔星少女。/B‐part
11th:愛の魔星少女、爆誕!/A‐part
11th:愛の魔星少女、爆誕!/B‐part
12th:星の上のステージ。/A‐part
12th:星の上のステージ。/B‐part
Ending:1クールアフター。
あとUウMーAマがき
Avant‐Title:その日、魔星少女は哭いた。
魔星少女。
それは星の力を魔法と振るう、伝説の戦士。
超文明の惑星・ユーマエルよりの使者によって、その大いなる力を与えられた存在。
私は、魔星少女を貴く高潔なものだと誇っていた。
そう信じて疑わなかった。
自分の住まう惑星を、宇宙の果てより迫る悪の手から守り──その戦いを遥か星の彼方へ届け、希望を失った人々に勇気を与える。
それまで漫然と日々を生きていた自分が初めて、鮮烈な生の手応えを感じることができた。
何の疑いもなく、相棒であるマスコットの言葉を信じた。
直向きに胸に懐いた正義の道を邁進した。
けど……まだ子供だった私は、社会を、組織を、仕事を理解していなかったのだ。
仕事をする以上、定められた枠に組み込まれる。
魔星少女は、超文明惑星という組織から与えられた力で仕事を遂行する、雇われ社員に過ぎない。そこには、夢に描いた理想など欠片も必要とされていない。
効率と成果の両立。求められる結果だけが全てだ。
仕事に対する報酬は、自分の星の平和。そして仕事が滞れば、それも目減りしていく。
よく考えれば、当然のことだったのだ。施す側が上位──最優先であるのは。
対価を与えられる側は、与える側に利益をもたらすための奴隷でしかないことは。
人間社会ですらままあるように……結果を伴わなくなれば効率を過剰に重視し、与えられる側への安全が犠牲となっていく。
その先に待っているのは──破滅だ。
白き衣をまとった少女が、どしゃ降りの雨に打たれている。
見渡す限り一面、瓦礫の支配