后退 返回首页
作者:村上凛,あなぽん
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-08-20(富士见书房)
价格:¥583 原版
文库:富士见Fantasia文库
丛书:おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!(15)
代购:lumagic.taobao.com
おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!15 大学生編 おまえをオタクにしてやるから、 俺をリア充にしてくれ! 15 大学生編 村上 凛 富士見ファンタジア文庫 本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。    1  まだ着慣れないスーツに身を包んで、会社を後にした。  腕時計に目をやって、もうこんな時間かと驚く。マンションに帰るのは、伝えていた時間より大幅に遅くなってしまいそうだ。慌ててあいつにラインを送る。  ──今頃、夕飯を作っているだろうか。  やがて見慣れたマンションの扉の前にたどり着き、インターフォンを押す。  少ししてガチャッと鍵を開ける音がして、扉が開いた。 「おかえりなさ~い!」  白のフリルエプロン姿の恋ヶ崎が、満面の笑みで俺を出迎えた。その姿を見たら今日一日の疲れも吹っ飛ぶような気がした。 「ああ、ただいま」  革靴を脱いで玄関に入る。  恋ヶ崎がキラキラした目で俺を見て、両手を肩幅に広げて構えていた。 「え? あ、ああ……」  もしかしてテレビでよく見るあれか? と気づき、俺が恋ヶ崎に背を向けると、恋ヶ崎が片側ずつ俺のスーツのジャケットから腕を抜いて脱がせた。 「今日もお疲れ様ぁ~。ご飯にする? お風呂にする? それとも……」  恋ヶ崎がそこまで言って、かぁっと赤くなる。 「なっ……!? じ、自分で言っておいて、何赤くなってんだよ!」  俺も釣られて赤くなってしまう。 「だ、だって……」  なんだかこれじゃ、まるで本当の新婚夫婦みたいだ。  俺は今、恋ヶ崎と同棲生活の真似事をしている。  こうなったのには、深いわけがあって……。 * 「はあ……」  大学へ向かう道のりを歩きながら、思わず俺は一人でため息をつく。  今日は大学の学園祭二日目。本来ならばもっと楽しい気分で臨むべきなんだろうが、正直学園祭を楽しむ余裕なんて俺にはなかった。  昨日、また一つ二次面接まで進んだ企業からの不採用通知が来てしまった。  もう大学四年の秋だというのに、俺はまだ内定を一つももらえていない。  恋ヶ崎と付き合っている状態なのに、ない内定で大学を卒業するのだけは何が何でも避けたい。こんなことなら、興味のない会社でももっとたく