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作者:なめこ印,よう太
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-08-20(富士见书房)
价格:¥620 原版
文库:富士见Fantasia文库
丛书:いづれ神話の放課後戦争〈ラグナロク〉(4)
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いづれ神話の放課後戦争〈ラグナロク〉4 ―魔眼の王と哀神剣舞― いづれ神話の放ラ課グ後ナ戦ロ争ク4 ─魔眼の王と哀神剣舞─ なめこ印 富士見ファンタジア文庫 本作品の全部または一部を無断で複製、転載、配信、送信したり、ホームページ上に転載したりすることを禁止します。また、 本作品の内容は、底本発行時の取材・執筆内容に基づきます。  CONTENTS 序章 第一章 停戦 第二章 最後の日常 第三章 破滅の足音 第四章 慟哭は折り重なり、心は重ならず 終章  あとがき    序章  その日、世界は死んだ。  少なくとも僕──レオン・ブレイドブライトにとっては。 「母さん! 母さん!」  僕は何度も自分の母親だったものに呼びかける。  その肩や背中を揺すってみるが、何の反応も返ってこない。  当たり前だ。  冷たい感触。  硬い感触。  手の平を通して感じるのはそれだけ。  石。  石の肩。  石の背中。  石の体。  石の──母さん。  僕の母さんはその日、物言わぬ石になってしまった。  母さんだけじゃない。  隣の家のお婆さんも。  学校の友達も。  近所のパン屋さんも。  みんなみんな、石になった。  そして、その多くは粉々になった。  僕の町を襲った魔神たちの戦いに巻き込まれて。  全部、全部、なくなってしまった。  僕の世界を構成していたものは。  何もかも石塊になった。 「ああ……ああ……」  僕は上半身しか残っていない母さんに縋りつく。  あの魔神の眼が光った時、母さんが庇ってくれなければ、僕もきっと石になっていただろう。  だけど、いっそ僕もみんなと同じように石になりたかった。  こんな世界にたったひとりで残されるくらいなら。 「レオン!」 「! 父さんっ!」  僕は父さんの声を聞き、反射的に顔を上げる。  すると、そこには汗だくになった父さんの姿があった。 「レオン! 無事だったか!」  父さんは僕を強く抱き締めてくれた。  混乱する人波の中ではぐれて以来、ずっと僕たちを捜していたらしい。  それから石になった母さんを見て、父さんも泣いた。  突っ伏して泣く父さんを見て、僕もまた泣いた。  泣いて。  泣いて。  やがて、父さんから先に立ち上がった。 「レオン。立つんだ」 「……無理だよ」 「立つんだ