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作者:延野正行,甘味みきひろ
类型:少年向 书籍样本 日文
出版:2016-07-22(集英社)
价格:￥600 原版
文库:DashX文库

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嫌われ家庭教師のチート魔術講座 魔術師のディプロマ この本は縦書きでレイアウトされています。 目次 ＬＥＳＳＯＮ　１ ＬＥＳＳＯＮ　２ ＬＥＳＳＯＮ　３ ＬＥＳＳＯＮ　４ ＬＥＳＳＯＮ　５ ＬＥＳＳＯＮ　６ ＦＩＮＡＬ　ＬＥＳＳＯＮ ダッシュエックス文庫DIGITAL 嫌われ家庭教師チューターのチート魔術講座 魔術師のディプロマ 延野正行 　　　ＬＥＳＳＯＮ　１ 「お前も魔術師なら、仕事をしたらどうだ、カルマ？　……ニャン」 　年長者としての威厳と深み。 　そのすべてを台無しにする可愛らしい単語が、ファミレスの一角に響く。 　発したのは、巫女装束の少女。 　真っ直ぐに伸びた黒髪。強い意志と決意を込めた黒瞳。 　白袖から少し出た手は白く、朱色の帯にのった胸は大きな果実を思わせる。 　一部西洋的なパーツはあれど、如何にも大和撫子然とした落ち着きと美しさを秘めていた。 　対して、正面から聞こえてきたのは、落ちつきのない声だった。 「くっそ！　日本牛百パーセントのダブルチーズハンバーグにすればよかった！」 　目の前に食べ終えた皿があるというのに、青年――カルマはメニュー表を見ながら後悔を口にする。少女の話など、まるで耳に入っていない。 　巫女の美しい眉がわずかに動く。 　瞬間、チンと乾いた音が鳴った。 　ファミレスのメニュー表が真っ二つに割れる。 　割れ目から小汚い格好をした青年の姿が現れた。 　鋼のように硬そうな髪の毛はしなびた白菜のように縮れ、肌もかさかさ。ピアノの黒鍵を思わせるような色のコートも、砂埃にまみれている。 　見る人が見れば、特別有害生物調査部隊《ＭＩＵエムアイユー》のものだとわかる最硬度魔術法衣レア品。 　その胸ポケットに刺繡された隊のマークは、ポケットごと切り取られていた。 　せいぜい立派なのは、コートの襟付近に付けられた魔術師バッチ――通称《ディプロマ》と、白銀縁の鼻掛け眼鏡だけだった。 　何食わぬ顔で、切れたメニュー表をスタンドに戻す。 　その左手にだけ、魔法陣が描かれた手袋をはめていた。 「店の備品を切るなよ、理音……」 　目の前の少女――九鬼理音を睨む。柔らかそうな太股に置かれた刀を指さした。 　漆黒の鞘に躍動する鯉の金細工が施された刀。 　理音の愛刀――調伏用護刀《音無》。 　抜刀から斬撃、納刀までを無音で行う事が出来る