下ネタという概念が存在しない退屈な世界 ○EX
小学館eBooks〈立ち読み版〉
下ネタという概念が存在しない退屈な世界○EX
赤城大空
イラスト 霜月えいと
目次
女子トイレの神様
~三年後のピロートーク~
王様ゲーム
~三年後のピロートーク~
学校の猥談
~三年後のピロートーク~
とっても卑猥な生物兵器
~三年後のピロートーク~
疑惑のテクノブレイク
~三年後のピロートーク~
現役JK あやめ十六歳 初体験の興奮
~三年後のピロートーク~
とある男子のオナ禁日誌
~三年後のピロートーク~
振り返りピロートーク
あとがき
女子トイレの神様
その昔、トイレを掃除すると美人になれる、という歌が流行ったらしい。当時の男どもはこぞって歌詞を引用し、「つまりお掃除フェラしたら綺麗になれるってことだよ」などと世迷言をほざいて恋人を惑わしたそうだ。やっぱりリア充って頭おかしい。というか、子供にこんな話をする父さんの頭がおかしい。さすがは国会議事堂にコンドームをバラまいた最凶最低の下ネタテロリスト。善導課に捕まって当然である。
しかしまあ、トイレを掃除すると美人になれるというのも、お掃除フェラしたら綺麗になれるというのも、あながち間違いではないのだろう。
誰もが避けて通る雑事を率先して行うことで、内面的な美しさが手に入る。これはきっと、そういう類いのお話なのだ。
だから、
「あの、奥間君。実はわたくし、マカロンを作ってきましたの」
なんか髪の毛みたいなものがはみ出してるアンナ先輩の手作りマカロンを食べることで、僕も内面的な美しさが手に入るに違いないんだよ……。
放課後の生徒会室。
僕はアンナ先輩に差しだされたマカロンを見下ろしながら、頑張って笑顔をつくっていた。
「あ、はは。とっても美味しそうですね」
「奥間君のことを考えて作りましたの。隠し味も入れてみましたのよ」
いや、隠し味が隠れてないですからね。物理的に。思い切り飛びだして自己主張してますから。自己主張っていうかほとんど事故ですよこれ。
しかし、もじもじとはにかみながら早く食べてみてくださいましとばかりに潤んだ瞳を向けてくるアンナ先輩の気持ちを踏みにじるのも気が引けて、僕はマカロンを一つ手に取る。
「……」
谷津ヶ森のエロ本奪取に成功し、ソフィア・錦ノ宮主導の強制署名運動をぶち壊