異世界修学旅行3
小学館eBooks〈立ち読み版〉
異世界修学旅行 3
岡本タクヤ
イラスト しらび
目次
一章 次の行き先を相談しよう
二章 修学旅行で食べるものといえば
三章 旅先で意見が分かれたら
四章 別の班と合流しよう
五章 友達の長所を再発見しよう
六章 ご当地アイドルを推そう
七章 地方の祭りに参加しよう
八章 はぐれた友達を捜しに行こう
九章 旅行先でけんかはやめよう
終章
あとがき
一章 次の行き先を相談しよう
山間の小さな村を苦しめていた悪竜ドラゴンも、民を思い国を思う王女の愛と誠意に打たれ、ついにその身を地に横たえたのであった。
あと、白馬に乗った流浪の騎士もちょいちょい活躍したとかなんとか。
こうして心優しく美しい王女と、自分たちのことを愉快だと思っているふしのある調子こいた仲間たちは、次なる冒険の旅に出立したのでした。
はてさて、次はどんな摩訶不思議アドベンチャーがプリシラ王女たちを待ち受けているのやら。
でもきっと大丈夫。愛と勇気と金と権力があれば、どんな困難だって乗り越えられるんだから!
『プリシラ王女漫遊記 Episodeエピソード4~いいぞがんばれドラゴンズ~』完
プリシラ王女の連載が読めるのは納税者だけ!
親愛なる臣民たちに愛と感謝を込めて、プリンセス・プリシラ。
◇
俺たち一行はあの竜の一件を経て商都へと戻り、バルザック市長の邸宅へと身を寄せていた。それぞれの個室もあるし食事も出るしで、そのへんの宿よりずっと快適に過ごさせてもらっている。
汗を拭いながら食堂へ入ると、プリシラがニヤニヤしながら紙にペンを走らせていた。
「まーた捏造旅行記を書いてるのか」
俺が後ろから声をかけると、プリシラはびくりと肩を震わせて、覆い被さるように体で紙の束を隠しながらこちらを振り返った。
「捏造ではないというのに」
「あとでちゃんとチェックさせろよ」
「検閲反対! 表現の自由を守れ!」
プリシラは紙をくるくると丸めると、ジャージのポケットに突っ込んで隠してしまった。
「つかおぬしこそ、朝っぱらから汗をかいて何をやっとるんじゃ。そんな寝汗すごいタイプ?」
「ちょっと和泉師匠に付き合ってもらってな」
「んぬ、和泉に乗り換えたのかや? なんとも根性と節操のない」
「ちげー